====1.中央執行委員会====                                  (責任者:片岡  直)\\ === 1)はじめに ===  これまで組合の内規として守ってきた、中央執行委員長の選出母体を4つのブロックに順番に回していくやり方を変更することにしました。すなわち4つのブロックとは、①理学部・工学部・薬学部・スポーツ科学部、②法学部・商学部、③医学部・病院、④人文学部・経済学部の4つです。このうち③医学部・病院の順番を3回飛ばして10年に1回の割合で選出母体になるようにしました。この件は、不成立であった第2回臨時大会で報告しましたし、その後職組ニュースで全組合員にお知らせしました。ただ今回だけは順番を②から③に進めることを2月の臨時大会の時に組合員の皆様に約束しており、その実行が求められました。最後までもたつきましたが、烏帽子形支部候補者推薦委員会のご努力で、医学部の小川 皓一先生(解剖学)を委員長候補者として推薦していただきました。現委員長の公約の一つが果たせたわけです。烏帽子形支部推薦委員会のメンバーの方々のご努力に感謝いたします。\\  平成22年度も2回の学長交渉を行いました。1回目は6月2日、2回目は11月16日でした。1回目の交渉では、①時間単位年休制度の創設、②残業の適切な処理、③退職時の有給休暇の処理、④嘱託職員の労働条件の改善、⑤職員の労働条件検討チームの創設、⑥労働環境に関するSD講演会の開催、⑦プラスアルファ算定基準の公開、⑧大学のハラスメント対策について、⑨上級技師への昇格について、⑩組合事務室の移転先等について、を交渉項目として組合から提出しました。また2回目の交渉では、①嘱託職員の労働条件の検討、②前立腺がんの検診、③教員の病気入院とボーナス減額、④基本給および賞与について、⑤入院、療養有給休暇制度の設立、⑥授業回数15回実施に伴う給与の増額、⑦半日単位の年休制度の完全実施、⑧烏帽子形支部組合事務室の貸与、⑨上級技師への昇格に関する打ち合わせの場、⑩病院のパソコン設置の進捗状況、⑪定年退職者等による授業アシスタント制度の創設,⑫福岡大学事業支援外部企業プロジェクトについて、が議論されました。第2回目の学長交渉の詳細は近いうちに公表される予定ですが、2回の学長交渉を通じて組合の要求が通ったものもありますが、通らなかったものの方が多かったと思います。次期執行部に引き継いでもらわなければならないと思っています。\\  たとえば、時間単位の年休制度は実現できませんでしたが、半日単位の年休制度については平成23年4月から、すべての職場で取得できるようになりました。また教員の病気入院とボーナスの減額(大学側は、加算の評価が通常の場合に比べて低くなる、という言い方をしています)については、プラスアルファの基準に該当するので明らかにできないという回答でした。ただ人事部のミスで減額されたという場合もあったそうで、給与や賞与については、受け取った時に一人一人が確認することが極めて重要であることが再確認されました。\\ == 2)活動報告 == ①今年度の活動計画はどのようなものであったのか。\\  今年2月の第1回臨時大会に提出した今年度の活動計画は、以下の通りでした。\\  ⅰ)組合活動活性化への取り組みとして、a.現在の組合事務室の移転に関する件、b.烏帽子形支部組合事務室の確保、c.次期中央執行委員長候補者を候補者受付締め切りまでに決定すること、d.組合掲示板、組合ホームページの活用等、情宣活動の活発化を掲げました。\\  ⅱ)組合の積立金、特別会計の在り方について検討する。\\  ⅲ)学内衛生委員会の積極的活用。\\  ⅳ)三六協定締結等、労使協定締結へ向けての取り組み。\\  ⅴ)その他 a.給与・待遇の改善への取り組み、b.研究・教育条件の改善への取り組み、 c.男女共同参画社会形成への取り組み等、主要には支部活動に対する中央の応援・支援を活動の中核に据えました。\\  ②組合活動活性化への取り組みとして、今年度は中央執行委員会を組合事務室と、烏帽子形支部(主要には医学部・医学情報センター4階、映写室を借用した)で交互に開催しました。11月17日現在で24回の中央執行委員会を開催していますが、半分は烏帽子形支部の場所で開催したわけです。さらに1回(10月18日の第23回中央執行委員会)は筑紫病院の別館会議室で中央執行委員会を開催しました。医学情報センターで開催した時は、医学部、病院に所属する組合員の方にオブザーバーとして出席してもらいましたし、筑紫病院でも筑紫病院の組合員の方に参加してもらい、我々の議論に加わってもらいました。このような取り組みは有意義な試みであったと思います。今後もできるだけこのような機会を作っていくべきだと考えています。それから、組合ハンドブック作成小委員会が中心となって、「組合ハンドブック」をつくりあげたことも、今年度の組合活動活性化の一つの成果としてとりあげられるべきものと考えています。組合の諸規程や、組織、活動の概要を組合員に知ってもらうためのものです。今後とも、組合員ならびに役員の方々に、ご利用いただければと思っています。\\  ③組合事務室については、現在ある組合事務室は、図書館・ゼミ棟が壊された場合も、場所は今のところ未定ですが、将来も必ず貸与するとの学長の回答を得ました。ただし烏帽子形支部の組合事務室については学内の施設を借りることも、敷地を借りることもNOといわれています。しかし、福大病院内に利用可能な部屋があるかもしれないという情報もあり、組合としては積極的に探す努力を行いたい。具体的な場所を見つけ出せれば、交渉を前進させられるかもしれないと考えている。烏帽子形支部組合員の皆様に協力をお願いしたい。\\  ④組合掲示板は組合事務室の玄関前に設置されています。現在職組ニュース、組合新聞、その他組合行事のポスターなどを逐次掲示していますが、それを見る人、あるいは読む人は少ないと思います。しかし掲示は続けていきたいし、続けてもらいたいと思います。また病院や医学部でも特定の場所(壁)を確保して、職組ニュースや組合新聞等組合の情報を伝える方法を構築していきたいと考えています。\\  ⑤大学との交渉で重要なのは一つは2回行われる学長交渉ですが、もう一つは三六協定(時間外・休日労働協定)の締結交渉です。現在のところ4月1日から翌年3月31日まで有効な三六協定が締結されていますが、今年度は、第1回学長交渉で時間外労働をめぐって、特に福大病院の残業処理が適切になされているかが議論になったこともあり、三六協定の締結に関しては組合としても慎重な取り組みをしました。つまり、とりあえず4月1日から6月30日まで有効な三六協定を締結し、7月1日から翌年3月31日までの三六協定については、学長交渉で議論されたことが少しでも生かされる方向を確認して締結するという方針で臨みました。そして今後は3月初めの段階で、三六協定の改定の話し合いを始めるというルールを大学(人事部)との間で合意しました。時間外労働や休日労働に関して問題があれば、そこで議論する機会が保障されたわけです。残業や休日労働に関して改善してほしい要望があれば各支部の執行委員にお伝えください。あるいは直接、組合事務室にご連絡ください。中央執行委員会で検討して、必要であれば交渉の場に提起したいと考えています。\\  さらに組合は、就業規則の改定の際に意見を求められますし、育児・介護休業法の改正に伴って、福大の育児・介護休業規程が改定された時も、組合の意見を述べました。\\  ⑥11月16日に行われた第2回の学長交渉で、この8月に出された人事院勧告の福大での取り扱いが議論になりました。財政担当副学長は、福大の帰属収入に対する人件費の割合が全国平均に比べて高く、健全財政を維持してゆくためには人件費の増大は抑制しなければならないとされ、また人事院の勧告は客観的に見て我が国の民間と公務員の給与、ボーナスを比較して考えるのに適切な指標になると評価されておられます。ただし福大では、この12月のボーナスは昨年の約束通り2.35カ月分(年間で4.5カ月であった)支給されますが、平成23年度からは勧告通り年3・95カ月分になるし、23年度の人事院勧告の内容によってはこの3.95カ月も変更がありうるという方針を発表されました。給与の減額は平均0.19%で、それはこの12月1日から適用するということです。なお、55歳を超える教職員(教授クラス、課長補佐以上)の減額率は勧告では1.5%となっていますが、福大では1.0に引き下げて適用するとのことでした。\\  ⑦今期の活動計画の中で、我々も重視していたのが組合積立金の在り方(あるいは処理)をめぐる検討でありました。これまでもどうすべきか検討しなければと言われながら、何もなされずに引き伸ばされてきた問題ですが、今期の執行部において何らかの結論を出して大会に提案することを、活動計画の中で宣言しました。8月の夏休み期間中を利用して、ワーキング・グループ(特別会計委員会)を立ち上げて検討を開始し、一般会計の中の繰越金の処理に関するルールと、それらを積み立てて蓄積された資金を、特別会計として管理・運用していくためのルール作りに専念し、一応の結論を得ることができました。その結論を組合員全員に開示して、広く意見を求める機会を十分に設けることを行えばよかったのですが、その結論を、9月18日(土)に組合臨時大会を開催して議決を求める方法を選択しました。これがその後の混乱をもたらすもとになってしまいました。臨時大会には、組合費の値下げ案(現行0.6%の徴収率を0.56%、嘱託職員については現行の0.3%を0.28%に引き下げる)とともに、組合会計規程の制定案を提起しました。しかし、臨時大会そのものが定足数不足で成立せず、それに代わって拡大職場集会として議案が検討されました。その結果は、これらの2つの議案は執行部によって白紙撤回されることになりました。この組合積立金に関する問題については一からやり直さなければならない状況になりました。我々としては、定期大会までに、新たな提案をしようと考えましたが、その後も一部組合員との論争が続いており、結局のところ成案を得て新たな提案ができるところには行きつきませんでした。したがって、組合積立金の在り方についての問題は、誠に申し訳ありませんが、次期執行部に引き継いでいただかないといけないという状況です。\\  ⑧参考までに私が労働組合運動に詳しい人から聞いた話を記しておきたいと思います。それによると、組合員の数が2000名以上の我が組合クラスでは、緊急事態に備えるための資金の蓄えは10億円以上でなければならないということを言われ、びっくりしました。いわゆる組合の闘争資金は積極的に積み立てておかなければならないものであり、余ったお金を積み立てるという消極的なものではないということでした。これをそのまま福岡大学教職員組合にあてはめることはできないことと思いますが、給与やボーナスが引き下げられる現実の中で、我々が労働条件の維持、改善を図るためにはどうしても力に訴えないといけない時が来るかもしれません。その時のために組合としてはもっと積極的に資金をためる方針を打ち立てなければならなくなるかもしれません。このようにして蓄えられた組合の財産はできるだけ組合員のために有効に使われるべきですが、大会で決議されれば、個々の組合員に返還することも可能だと思います。\\  ⑨学内衛生委員会の積極的な活用は、支部の男女共同参画委員会の活動とも相まって一定の成果をあげていると評価しています。特に今年度は職員定期健康診断の検診項目に各種のがん検診を導入することに関して議論を展開することができたことは成果だと思います。その結果は平成23年度から男性の前立腺がんの検診が50歳以上の者を対象に実施されることになりましたし、女性の乳がんや子宮がんについての講演会の開催や、職場におけるメンタルヘルスについての講演会の開催などに組合も積極的にかかわることになっています。ただ、学内で発生している労災事故に関する情報が組合に直接知らされていない現実は改めなければならないと考えています。衛生委員会の中でもっと積極的に発言し、問題提起することが必要だと考えます。