====== 平成23年度 第2回学長交渉議事録 ====== 日 時:2011年11月29日(火)18:00~ 場 所:本館2階 第二会議室 出席者:\\ 組合側)小川中央執行委員長、末次同副執行委員長、瓜生同書記長、三島七隈支部執行委員長、青木同副執行委員長、寺田同副執行委員長、飯田同書記長、前越同執行委員、田中烏帽子形支部執行委員長、田村同書記長\\ 大学側)衛藤学長、馬本副学長、藤原副学長、大和副学長、瓦林副学長、栁事務局長、岡総務部長、戸崎人事部長、中上人事課長、南人事課長補佐、杉本人材開発課長、谷口人材開発課長補佐\\ ===== 【交渉事項】 ===== ==== 1.給与変更に関するモデルケースの説明について ==== ===議題本文=== これまで組合からの要望を無視し、給与の引き下げが実施されてきましたが、これによる年間の収入および退職金、ひいては年金にどのような影響が生じるのか、多くの教職員は不安と絶望に苛まれています。不利益変更を押し付ける大学側の説明責任として、少なくとも、年代別のモデルケースを試算し公表すべきではないでしょうか。\\ 毎年の給与引き下げが、長期的にどのような影響をもたらすのか、モデルケースを示すことにより開示していただくことをお願いしたいと考えます。また、給与の減額により、大学全体として人件費はどの程度削減され、それをどのように運用していくのかということに関する説明も合わせてお願いいたします。\\ ===議事録=== 大学)概要を組合側から説明いただきたい。\\ 組合)これまで給与が年々低下している状況があります。教職員としてはこの状況で、年間の収入、退職金、ひいては年金にどのような影響が生じるのかわかりません。年代別のモデルケース、例えば30代ならどのようになるのか示して頂きたいという声が組合員から出されています。\\ 大学)皆さんがご存知のように、福岡大学の給与は人事院勧告に準拠しています。その理由として、実際、国や地方自治体等から補助金(約56億円)、私立大学としては7番目と多くの補助金を頂いていることがあげられます。本学は、公共性が高いと受け止めています。人事院勧告に準拠しているのは、これが民間企業の実情を数値化したもので、社会状況を計るには良い尺度であるので、これを適用しています。このところ給与が下がって来ているのは確かですが、十数年前には上がっていました。その時に応じて上がったり下がったりしますので、不幸にも世界的な経済状況がこのようになっている現状があり、積極的に下げたわけではなく、人勧に準拠した結果として下がったわけです。向こう10年の運用計画に関しては、市場の動向によって変わるので給与予測はなかなか難しいです。\\ 大学)給与は人事院勧告に連動して動いているので、長期的にどのような影響をもたらすかを推測することは難しいです。人勧準拠ということで、単年度のモデルケースを出すことは可能ですが、十年先までのものとなると、今の状況では出来ません。\\ 組合)単年度のモデルケースは出して頂けるのでしょうか。\\ 大学)可能です。結論は後日ということでよろしいでしょうか。\\ 組合)出して頂くということでお願いします。\\ ==== 2.人事院廃止後の本学の給与体系に関する今後の対応について ==== ===議題本文=== 今後数年のうちに人事院が廃止されます。本学の給与の基準としている人事院勧告が完全になくなったときに、本学の給与体系はどのようになるのでしょうか。人事院勧告が廃止されれば、国立大学でも財政状況が良好であれば、本学より多額の助成金を受けていても、教職員の昇給が保証される独自の給与体系を設定する大学も生じるものと考えられます。このような状況になった場合に、本学の給与体系が、現状の減額志向を継続するのであれば、教職員として優秀な人材を確保することは困難となり、先輩の教職員の皆さんと現職の教職員の努力により確立されてきた本学の現在の地位を維持できなくなることは必至です。優秀な教職員を確保し、教育・医療・研究を高水準に保つためには、給与体系だけでなく、勤務環境や定年の時期などの待遇が他大学を上回るものであることは不可欠のことになります。人事院廃止後の本学の給与体系に関する今後の対応についての計画をお知らせくださいますようお願いいたします。\\ ===議事録=== 組合)現状として、人事院が数年後には廃止されると聞いています。人事院がなくなったら、人事院勧告により決められているという本学の給与は、どのような算定基準で決めていくのか?将来の展望を教えていただきたいと思います。\\ 大学)数年のうちに人事院が廃止という最近の報道は聞いていません。人事行政研究所によると、現時点で、人事院が廃止されるかどうかは未定であり、数年後には廃止されるかもしれませんが「廃止は決まっていない」のが現状です。\\ 3.11の国難があり、今回の人事院勧告は見送られ、公務員給与については7.8%引き下げられるという報道がありました。しかし、このような引き下げについて、福岡大学の給与についてはこれが反映されるとは全く考えていません。これは特別なことと考えています。\\ 人事院が廃止された時の今後の対応は、難しいファクターがあり、今すぐには考えられません。他大学の動向などとも比べながら今後の対応を考えていきたいと思います。\\ 定年年齢など、他大学と比較をしていきますと、福岡大学において特別に教職員にとって不利益を被るような待遇になっていないと思います。福岡大学においては、教員65歳、事務職員60歳~63歳です。久留米大学の場合、教員65歳、事務職員60歳。西南学院大学は少し長くて、教員70歳、事務職員62歳です。近畿大学、教授66歳、助手60歳、立命館大学の場合、教授65歳、教授以外の教員60歳です。東海大学では、65歳です。それから見れば福岡大学では、特別に不利益を被っているとは言えないと思います。\\ また、優秀な教職員を確保するためには給与体系や定年が重要であるということを理由に挙げていますが、定年の年齢はこれにあまり関係がないと思います。優秀な人材の確保のために給与体系を高水準に維持することが必要ということですが、「優秀かどうか」の客観的な評価は非常に難しい問題だと思います。まず評価方法を確立しないといけないと思います。給与水準を引き上げることが優秀な教員に必ずしもつながらず、むしろ研究環境を用意することとかが重要だと思います。 組合)人事院勧告俸給表にはない数字が、福岡大学教職員の俸給表にはありますが、この勧告にない数字の根拠は?この人事院勧告俸給表にない「枠外の数字」は何ですか? 大学)具体的には? 組合)枠外の数字です。例えば、人事院勧告の俸給表には1級から5級までしかないが、本学の俸給表には1級から6級まであり、その1級は従来の副手の俸給表だったのですが、人事院勧告では廃止されているのに、本学にはあり、給与規程では助手に相当すると規程されていますが実際の運用はよくわからない。また教授は本学の俸給表では5級と6級ですが、5級には人事院の表にはない枠外の数字がかなりあります。これは福岡大学で独自に作ったのですか? 大学)ここでは正確には、答えられないので、具体的に確認した上でですが、(枠外の数字は)日本人事行政研究所に相談して、ここで作ってもらいました。それ以来、これに拠っています。 組合)この枠外の数字については、これからも組合として研究していきたいと思いますが、(俸給表等級の)渡りの問題があります。教授は6級には渡るのですか? 大学)6級には渡りません。人事院勧告俸給表5級の枠外の数字を長年の運用でやってきて、6級という俸給表にはあるが実際には支払われない等級上の俸給が生じています。 組合)それでは何のために6級があるのかわからないし、給与規程には(5級から)6級へ「渡らない」とはどこにも書かれていない。(なのに福岡大学では、6級に渡っていない運用が生じています)。九州大学などでは、6級へも渡っているのに、本学では渡れないでいる。この点はむしろ枠外の数字をなくし、6級へ渡れるような規程を作るように今後要望していきたい。 ==== 3.給与改善について ==== ===議題本文=== 給与の減額が続く現状に対して、これまで組合から、この交渉の場において、再三、給与改善を交渉議題として提案しています。今回もこれまで同様、給与改善を強く要望します。\\ 大学側は、本学における給与減額に関する質問に対して、\\ 1)その根拠は明示されませんが、大学の健全経営の条件は人件費率が50%を超えないことであるとしていること\\ 2)毎年約数十億円の補助金を得ていることから、人事院勧告による国家公務員に適用される給与減額を、福大の教職員も甘んじて受けいれるべきとしていること\\ 3)施設の建設に費用を要するため、それを捻出する対策として教職員の給与をカットしていること などが理由として回答されています。\\ (表1から4は紙数の関係で省略します。議題に関する速報をご覧下さい)\\ 表1には、本学のホームページ上で公開されている財政状況のうち、“学納金収入”、“医療収入”および“その他の収入”の平成20年度から22年度の推移を示しています。この数値から、年々総収入は増加していますが、総収入に対する学納金収入の割合はほぼ同じで、医療収入の割合は増加しています。”その他の収入“が増えたことにより、総収入が増えているにもかかわらず、割合が同じまたは増加しているということは、大学も病院も増収しているということです。これは、先輩の教職員の皆さんの努力により確立されてきた本学の現在の社会的信頼を基盤とし、それを受け継ぐ現職の教職員の血のにじむような努力の賜物といえます。大学・病院ともに増収を果たしているにもかかわらず、「公務員の給与が下がるから」、「学内の建物の建設費がかさむから」という理由で、教職員に適正な給与が支払われないことは重大な問題と考えられます。\\ 1)人件費率が50%を超える私立大学でも、健全な経営を行って、社会的に高い評価を得ている大学も多くあります。また、人件費率が低い立命館大学などでは、教員が大学を法的に訴える事案が数多くあると聞きます。本学はどの道を選ぶのでしょうか。学生や患者さんに優れたサービスを提供することが、大学間および病院間の競争が激化する中、本学の生き延びる道と考えられ、そのためにも教職員への処遇は適正化されるべきと考えます。\\ 表2と表3には、本学と主要な私立大学および医学部をもつ私立大学(医科大学を除く)の、それぞれ消費収支計算書と資金収支計算書に示された収入と人件費およびそれらから算出した人件費率を示しています。これらは、2009(平成21)年度のデータしか公開されていない同志社大学を除き、各大学のホームページで公開されている2010(平成22)年度のデータです。表2から、主要な大学の中でも帰属収入に対する人件費率が50%を超えている大学が多数あることが分かります。また、表3では総収入に対する人件費率は、ほとんどの大学で30%を超えていることが分かりますが、本学では、27.5%という値になっています。\\ 表4には、医学部をもつ大学の“学納金収入”、“医療収入”および“その他の収入”の金額と総収入に対する割合を示しています。この表から本学の場合、“その他の収入”が“学納金収入”と“医療収入”のそれぞれを上回っていることが分かります。\\ このように、本学の収入構成は他大学と異なった特徴があることを考慮するとともに、帰属収入に対する人件費率が50%を超える大学も多くあるという実情を適切に受け入れ、「帰属収入に対する人件費率50%を超えないようにするために給与を抑制する」という現状の方針を撤廃し、教職員への処遇を適切なものにすることをお願いしたいと考えます。\\ 2)本学の平成22年度の収入は約1296億円、そのうち国や地方自治体からの助成金は約57億円と公表されています。その比率は約4%となります。すなわち、本学を支える収入の95%以上は、先輩の教職員の皆さんの努力により確立されてきた本学の現在の社会的信頼が基盤であり、それを受け継ぐ現職の教職員の貢献によるものといえます。公務員と同条件の要因がわずか4%であり、大学では土曜日や祝祭日が授業日となって出講・出勤を余儀なくされ、病院では土曜日・日曜日・夜勤と、一般の公務員の勤務条件より過酷な状況にあるにもかかわらず、従来優遇されてきた公務員に対する批判ともいえる政府の方針による給与削減策を、本学の教職員がこうむることはどうしても理解できません。さらに、給与を下げることは、経済的に困窮している学費負担者である学生の保護者に対する配慮であるということも意味が分かりません。大学から保護者に対して、教職員の給与を下げていることを通知しているのでしょうか。経済的に困窮している保護者を持つ学生の学費を免除しているのでしょうか。このような実効性の伴った行為が行われていないのならば、保護者に対する配慮と給与減額との関連は認められず、この交渉の場だけの言葉としか受け止められません。公務員に対する給与減額を本学の教職員へ適用することを撤廃し、減額分を遡って償還することをお願いしたいと考えます。これには、本年4月の55歳以上の教職員の給与の1%減額に代表される給与減額分を償還していただくこと、また去る9月30日に発表された人事院勧告に基づく来年度の給与の減額を実施しないことも当然含まれていることを申し添えます。\\ 3)教職員の給与の減額は、学内の建物の建設費支出が膨大であることが理由のひとつとして説明されています。建物の建設は、本来長期的な計画に沿って進められるもので、そのために基本金という枠が設置されていると考えられます。「足りなくなったから、給料を減らす」では、経営陣のガバナンスが疑われても仕方ないのではないでしょうか。また、一般企業であれば、設備投資が計画的に進められるのは当然のことですし、財政的な問題が生じた場合は、事業見直しなどの改善策を講じ、給与の引き下げは最後の手段です。給与引き下げや給与遅配は、倒産寸前と考えられてもやむを得ない状況と言え、社長は社員の理解が得られるように誠心誠意説明に努める状況です。学内のいろいろな仕事の中で、学長や副学長の先生方とご一緒する機会がありますが、とても思慮深く、大学運営に真摯に取り組んでおられる方々であると感じています。お立場もあるかと思いますが、学長交渉の場では、どこか別のレベルで準備された回答を読み上げられているのではないかと思われ、誠に残念です。特に本学はオーナーにより牛耳られている大学ではなく、執行部と教職員が互いに信頼し合って一体となって運営していかなければ立ちいかなくなる大学であることは、大学全体の共通の認識であると考えています。\\ 表1について、総収入に対する“その他の収入”の割合が高いことは、上の1)でも述べましたが、この3年間で増加の一途をたどっています。“その他の収入”には基本金からの繰入金が多く含まれ、これが建物の建設費に充当されているものと考えられます。“その他の収入”は帰属収入には含まれない収入ですから、「帰属収入の50%云々」という教職員の給与と建物の建設費は別の次元の経費であることは明らかです。したがって、「建設費捻出のために、給与減額はやむを得ない」という説明は、信ぴょう性に欠けるだけでなく、計画性の欠如という点で、教職員に執行部への信頼感を失わせ、失望感を与えるような理由付けと言わざるを得ません。このような説明は、撤回するとともに、今後は避けていただくようにお願いしたいと考えます。\\ ===議事録=== 組合)人事院勧告の準拠による給与の決まり方ですが、近年の人事院勧告が公務員の優遇に対するバッシングに近い形の給与の引き下げが見られます。公務員でもない本学の教職員に、なぜ適用されるのかという声が組合員から出ています。数十億円の補助金を受けているということですが、福岡大学全体で動く予算からすると、5%程度の金額です。公務員に対するバッシングともみえる給与引き下げを被っています。教職員は納得していません。 大学)公務員でないのにこれだけの影響を受けないといけないと言われますが、福岡大学独自の給与体系を持っていません。人事院勧告は社会の経済状況を反映しており、指標となります。これに福大独自の考えを取り入れています。\\ 福岡大学の給与が社会常識から乖離するようになると世間の批判を招きますので、バランスの取れた給与配分が必要と思います。\\ この中には人事考課もあるといいますか、ある程度の中で比例配分できます。研究の環境が良くなると、一所懸命がんばってくれる人にはある程度の報酬があるというような形をとって初めて生きた形になると思います。これ以上給与を下げるというのは私たちも苦しいところで、どのように財源を配分していくかが重要で、みなさんの協力がないとできません。\\ 交渉事項の給与改善についていろいろ書いてある中で、(人件費)50%というのが、これはあくまでも目標です。確保しなければならないというのも大学によってちがいます。\\ 理系が多い大学では60%となるとほとんど研究できません。\\ 福岡大学は理系学部を多く有しており、研究教育機器や備品を充実させる必要があるため、50%を目標として捉えています。文系となれば50%過ぎても大丈夫です。高校とか60%でも大丈夫ですが、今のところ50%が福岡大学の経済指標と考えています。\\ 収入がこれだけあると書いてありますが、収入に比べて支出が多いのです。\\ 特に病院の支出が多くて、単年度の赤字が重なってきますので、経営の健全化を考えていかないといけない。どうしても慎重にならざるを得ません。\\ みなさんには圧迫とみえるかもしれませんが、これも経営の中の状態であると理解いただいて、状態が良くなればみなさんにお返しできると思います。 組合)個別の質問ですが、4番のところで、この4月に行われた55歳以上の1.5%の俸給カット、本学では1%でしたが、不当な引き下げではないかと思うのですが。またこれは時限立法なので、本学ではもう止めるべきではないでしょうか。 大学)最終結論は出ていません。最初の案は1.5%全部カットするというのがでていましたが、それもそうはなかなかできません。1年間の下げ幅が最大1%、何年間に渡って行われるという話が国の方でも見送られました。22年度までの人事院勧告が維持されるという形で、単年度の時限立法という形ではなく国もそのままやられる。本学も人事院勧告を見送るということと同時にこれは続けることを予定しています。 組合)前回の学長交渉でもありました現給保障の元の本俸の引き下げですが、前回の交渉では学長も検討してみますとおっしゃっていましたが。 大学)今の1%と同じものとみなしましてそのままです。 組合)検討はしなかったのでしょうか。 大学)人事院勧告と連動するということで、今回は0.23%の引き下げを見送るということになったので、現状が維持されるということです。 ==== 4.教育職員の病気休暇および私費在外・国内研究休暇制度(有給休暇に替わる休暇制度)の創設について ==== ===議題本文=== 教育職員の病気休暇や在外研修(および国内研修)について、給与や賞与に影響のない形で休暇を取れるように制度化するか、他の職種と同じように有給休暇制度を教育職員にも創設することを前回の学長交渉前に要望書でお渡ししましたが、それに対し、何ら有効的な回答が得られていません。今回は、この問題を交渉議題とし、再度回答を求めます。\\ 本学教育職員が授業など教育・研究の指導に支障・影響のない期間に病気入院したり、在学研究で出張したことから賞与のプラスαの部分が減額されたということが判明しましたが、組合は減額そのものが不当であると考えます。一つは、裁量労働制においても旧国立・公立大学の多くに見られるように「年次有給休暇」の制度が認められていることです。そして、この有給休暇は病気での通院や入院、私費や学外資金による国内および在外研究などにも利用することができます。\\ そのような休暇制度は労働者に認められた基本的権利です。関連する労働法をよく読めば、有給休暇制度創設を望む組合の提案を使用者側は拒絶できないし、裁量労働制の場合にも上述のように制度を設けている例があることからも、本学のような制度で就業されている教育職員に対しても基本的権利として休暇制度を要求できるというのが大勢の解釈です。故に、この件の細部について早急に労使間の合意が得られるように協議することを要望します。\\  それは、仮に有給休暇制度ではなくても、病気休暇や国内および海外への研究出張に対する明文化された休暇制度として導入され、その休暇制度のもとでの賞与のプラスα部分への影響が廃止されるように強く要望します。\\  なお、この制度の創設に向けて何ら進展がない場合には来年度の三六協定締結に大きな支障になる点を危惧します。\\ ===議事録=== 組合)前回の交渉では、事前に要望書として出させていただいた病気入院に関する件です。授業に影響のないところでの入院に対して賞与の特別加算が減額されており、その原因は教育職員には休暇制度がないためです。それを改善するために、教育職員の病気休暇および私費在外・国内研究休暇制度を要望したのですが、そのような制度を採用する予定はないとの回答でした。有給休暇は、労働者の基本的権利です。\\ 有給休暇制度がなくても、20日ないしは4週間程度の在外研修と病気入院の休暇制度は、基本的に確立されるべきだと考えます。事務職の方は、有給休暇制度があり、入院されても、ボーナスのプラスアルファは、減らないと聞いています。教育職員は、授業のない時でも入院するとボーナスが減るのは、問題があります。教員に、病気休暇および私費在外・国内研究休暇制度(有給休暇に替わる休暇制度)を導入していただきたいと考えております。これは、三六協定にも影響します。 大学)減額されたことが判明したとありますが、給与のプラスアルファというのは勤務に応じて加算されるというものでありまして、減額するというものではないのです。出席できる教授会に出ていない人に響くというものでありまして、欠勤・病気欠勤については、教員には自己申告しかありません。 組合)それだと前回と話が違っていますが。 大学)賞与の特別加算は、勤務評価とか考課で上積みしていくわけですが、一日でも欠けたらそれをゼロにするというものではないです。全部支払えとなると、プラスアルファを撤廃するしかない。 病気で欠勤する届出のことですが、就業規則に定めてありますので、当然届けていると思います。届けを出すこと自体が福大職員として当然のことと思います。\\ 届けに応じて公平に、悪平等を避けるためには、今の制度は必要ではないかと考えています。 組合)意味がわかりません。事務職員は、病気入院で、賞与が減るのですか。 大学)年休では減りません。 組合)教育職員には、何故適用されないのですか。 大学)ひと月の欠勤日数が25日を超えたということで、超えた場合は、半月分減らさせていただくところを実際には間違って1月分を減らしていたので、お返ししたことがあるのです。 組合)事務職員は有給休暇をとることができるが、教育職員の場合、病気で休んでも有給休暇がとれない。有給休暇でなくて、病気休暇という制度を作ってくださいということです。これは、労働者の権利だと思います。 大学)出勤簿とはまったく関係ないとのことですが、ちゃんと病気として届けたものは有給として認めてもよいのではないかと、個人的には思います。 組合)そういうことをお願いしているのです。今ここでは結論がでないかもしれませんが、検討していただかないと三六協定を結びたくないという人がいっぱいいます。 大学)検討ということでよろしいでしょうか。 組合)検討してください。 ==== 5.嘱託職員(事務・労務)の労働条件、雇用期限と精勤手当について ==== ===議題本文=== 組合が嘱託職員の労働条件について要求していることは、すでに何度も繰り返していますが、1. 有期雇用の撤廃(平成19年度採用からの職員に対する雇用期限(7年、)の撤廃)、2. 労働条件の改善(給与:昇給のある給与システム(具体的にはとくに精勤手当の増額)、諸手当の創設:住宅手当、扶養家族手当、退職金の創設)、3. 正規職員への登用制度の実施(平成18年度に一度試行として実施(2名の登用)されて以降実施されていないし、その検証すら示されていないのは人事当局の怠慢としか言えない)。以上の3点が中心で、そのどの問題に対しても長きに亘って何ら改善が見られていません。\\  この中で雇用期限と登用制度の問題については、人事政策という曖昧な説明だけで、その具体的な政策の中身が何も説明されていません。すでに、平成19年度採用の事務嘱託職員は2年数カ月後には雇用期限を迎えるわけで、組合としても、この問題に何らかの道筋を点けずにおけない状況になっていると考えます。この問題の解決にはいくつかの方法があると思われます。これについて、労使間で協議する場を設けるよう強く要望します。\\ また、意欲を持って仕事に励むことができるようにするためにも労働条件の改善が必要です。この件に関してはすでに実施されている精勤手当の改善がすぐに取り組める問題だと考えます。例えば現行の在職3年以上の方には月額1000円~3000円の手当が支給されていますが、これを1000円ずつ引き上げるとか、在職10年以上の方はそこで精勤手当がそれ以上増額にならない点を改めるために、在職10年以上15年未満を区切りとし、さらに在職15年以上あるいは在職20年以上のランクを設け、それぞれ5000円とか7000円を支給するということが考えられます。これらの問題についても労使間で協議する場を早急に設置するよう要望します。\\ ===議事録=== 組合)嘱託職員の労働条件について1. 有期雇用の撤廃、2. 労働条件の改善、3. 正規職員への登用制度の実施、以上3点の問題です。\\ 本学の嘱託職員には正職員と同じ仕事をこなしている優秀な方がたくさんおられます。重要な問題は平成19年4月1日以降採用の方は雇用期限があることです。一部の方はあと2年ちょっとの雇用期限が迫っています。この雇用期限を承知して入ってきたから仕方がないというかもしれませんが、これらの方が辞めたらあとの仕事が大変になるとの声が各部署から聞かれます。辞めたポストを埋めるのに、また新たに雇用するということになるので良い人材を育てていくためにも、全員を再雇用していただくのが最善の方策ではありますが、全員でなくても、雇用期限の延長を考えていただきたいと思います。また、嘱託職員のボーナスも下がっているので、本俸の手当てとして在職年数に応じた手当てをつけていただけないものかと要望します。 大学)確かに嘱託職員で優れた人がたくさんいます。しかし、その逆もあり、この人が優れているからという線引きが非常に難しいところがあります。これだけの巨大な大学の中で事務が効率よく行なわれていくには、事務の人件費も高くなっているのは確かですが、これをなんとか抑えるというのが嘱託職員の雇用であり、本学は他の大学に比べても嘱託職員が多いです。今大学全体が変わろうとしているところで、フレキシビリティーを持たせるためにも嘱託職員を今すぐどうかするというのは無理かと思っています。現状を見る限りは致し方ないところがあります。人件費比率は監事や監査人から経営の効率化の関係から厳しく指摘されていますので、効率の中で犠牲になっているのじゃないかといわれるかもしれませんが、過渡期でありまして、ご理解していただけないかと思います。専任職員への登用はなかなか慎重にならざるを得ない現状です。 精勤手当を1,000円ずつ引き上げたりとかには賛成しますので、これはすぐにでも、ぜひやって行きたいと思っています。 組合)嘱託職員の登用制度が一度だけ行なわれましたが、それ以降は行なわれておらず、期限がありますので、優秀な方も、うちの職員は大卒だけだという狭い了見は止めて、登用制度をもう一度実施して欲しいと思います。 ===== 【要望事項】 ===== ==== 1.学年暦の見直しについて ==== === 議題本文 === 昨年、前後期各15回の講義を義務付けるとして、学年暦が大きく変更されましたが、国からの補助を多く受けている九州大学では、制度上は15週の講義期間を設けていますが、教場試験という名称で、15回のうち1回の講義を試験に充てることができ、実質的には14回講義となっています。私立の中村学園大学でも、同様に15週の講義期間を設けていますが、こちらも15回のうち1回の講義を試験に充てることができ、実質的な14回講義が実施されています。〔いずれの大学も定期試験の期間は設けており、15回の講義と定期試験という16週の実施にも対応できるようになっています。特に、中村学園大学は、教員免許・保育士だけでなく、管理栄養士など国家資格に直結した学部学科が設置されているため、「14回の講義と1回の試験を実施することで、15回の講義が確保されるように」と担当教員に依頼が行われます。文部科学省だけでなく厚生労働省により管轄される分野でも、14回の講義と1回の試験を15回講義とすることが認められています。〕来年度の学年暦について、第1回学長交渉でも、土曜日・日曜日・祝日出勤などは、教職員・学生にとっても、よいものではないと主張いたしましたが、来年度の学年暦は、これらの意見を考慮しているとは思えません。変更をお願いします。 === 議事録 === 組合)前回もお願いしていましたが、次年度について十分反映されていないのではないでしょうか。 大学)これは教務委員会で決まっていることです。 組合)現状は教員・学生・事務どれも好ましくないです。土曜日を使うしかない状況です。一昨年前は14回という形が行われていました。他大学もそうしていたし、九州大学も戻しました。他大学の様子を見て、次年度を14回と1回プラスという形で検討できないかということを執行部から事務方へ提案してもらえばと思います。 大学)文部科学省が、14回を認めているはずはないのです。九大も西南大も15回授業しています。昨年度、教務委員会でかなり全学的議論を行いました。いろいろな意見があった中で、夏休みを短くしないでくれという要望もあり、今の形に落ち着いたのです。昨年定めた今年のカリキュラムは、むこう3年間これでいきながら、意見を聞いていきましょうとなったわけです。今年は、日曜日を試験日としないとか、若干修正を行いました。今の形がベストだとは思っていません。よいアイデアがあれば提案してほしいと思います。15回+αで試験を全教科やっているわけではありません。実際は、他大学と同じような運用をされていると思います。 組合)今年の学年暦と来年の学年暦と何が違うかというと、日曜日に試験がないだけで、あとは同じです。月曜日の授業が土曜日に三回も振り替えられています。夏休みが少なくても良いから土曜日に授業をしないでほしいという意見が多く、組合では、むしろそちらを要望しています。土曜日は介護などで来られない先生がたくさんいます。その声が反映されていません。非常勤講師の先生に頼む場合、負担が重くなって申し訳なく、依頼をするのが難しくなっています。 大学)教務委員会から上がったのを追認する形で決まったわけで、最も多いのは夏休みをこれ以上減らすなということでした。対案は一回も出ていないのです。以前は、土曜日の授業をしていたこともあり、ゆとりがありました。土曜日を授業しないとなり、15回やりなさいという文科省の要請により大変になったわけです。ベストとは思っていませんが、ボトムアップで出たものだから、ベターザンで決めるしかないのです。自分の科目は、15回の一番最後に試験を行うという形にするというのならそれで良いと思います。 組合)教務委員から各学部(学科)に投げかけられて、それを投げ返したが、検討されずに立ち消えになったようです。是非、検証していただきたいと思います。 大学)わかりました。伝えます。 ==== 2.旧姓使用の運用の改善について ==== === 議題本文 === 過去の交渉において、旧姓使用の運用の改善を約束したにもかかわらず、未だに十分改善されていない点があります。例えば、非常勤職員については、シラバスでの記述においても、旧姓使用は行われていません。また、グループウェアにおいては、正職員に対しても、旧姓使用は行われていません。これらについて、早急に改善していただきたい。 === 議事録 === 組合)旧姓使用の運用は、一部に関して改善しているのですが、非常勤については全く改善されておらず、なぜ改善されないのかが分からないです。また、グループウェアで専任職員でも旧姓が使えないところがあります。 大学)旧姓使用から3年経ちます。そのときに非常勤の対応を検討させて頂くという形で3年経ちましたが、対応は可能と考えています。非常勤に関しては、できるだけ早い時期に対応を整えたいと考えます。しかし、名前の項目を書き換えるだけなら問題ないのですが、グループウェアでは旧姓を使用するとなると旧姓と新姓を使い分ける場面が出てくるので、ソフトウェアの対応を2箇所用意する必要があります。名前となるとほとんどのシステムで対応しないといけません。ちなみに某主要ベンダーにあたり確認しましたが、他大学においても旧姓を使用できるシステムはありませんでした。しかし、いつかは対応しないといけないのですが、費用も数百万から数千万かかるとなると、今この時期に対応ができないというのが現状です。 組合)フューチャー4では対応できて、なぜグループウェアでは対応できないのでしょうか。 大学)フューチャー4とグループウェアは、管轄が別扱いになっているからです。グループウェアは総務課の管轄になっており、またリプレースが数ヵ月後になっていて対応が間に合いませんでした。参考までにリプレースの時期は、確か5年に一度だったと思います。 組合)非常勤の対応は、次年度ではいかがでしょうか。 大学)できれば対応させて頂きたいと考えていますが、教務課も関係しますので、確約はできかねます。 ==== 3.助手・助教の図書費について ==== === 議題本文 === 助手・助教も、大学において、教育の一翼を担っています。各構成員の教育力を高めるために、他の教育職員と同様に、図書費をつけていただきたい。 === 議事録 === 組合)この問題は以前からお願いしていますが、これまでは研究室や学部・学科で相談して、捻出して欲しいとのことでした。しかしながら、研究者本人の意志で使えるような図書費のご検討をお願いしたい。 大学)助手と助教の身分と言うか、職務の違いを考える必要があり、助手はあくまで研究のサポートで、昇格を前提としていないのに対し、助教は研究者の身分を持っており、今後、昇格していく者もいるので、この職務の違いに対し差をつけるべきです。助手に対しては、図書費は認めないが、助教に対しては、すぐにとはいかなくても予算化する方向で検討します。研究者かどうかの判断は教授会の判断もあって、学部によって異なるかもしれないし、そのあり方は各学部で検討して欲しいと思っています。 ===== 【確認事項】 ===== ==== 1.上級技師について ==== === 議題本文 === 上級技師については、第1回学長交渉において確認しました。その後、組合より上級技師の基準案を提出していますが、その後、この上級技師の基準案に対する大学の回答をいただいていません。上級技師の基準案に対する大学側の考えを聞かせていただき、早急に、上級技師を制度として確立していただきたい。 === 議事録 === 組合)上級技師につきましては、前回も確認いたしまして、組合から案を出していただきたいということで提出しましたが、その後大学から回答がありません。お知らせください。 大学)上級技師については案を見せていただきましたが、案の中でいろいろな資格が書いてあります。たとえば、技術士、博士号などで、こういう中でひとくくりで判定するのは難しいと思いますし、技師技手の極めて高度な知識を整理して数値化することが大事じゃないかと思います。年齢が過ぎたら上級技師になるのというのではなく、他をもって代えがたい人を上級技師としてとらえていました。俸給表では教育技術職員は5級までで、6級は使われていません。規定では、事務職員は、6~7級がありますが、8級は使われていません。こういうものを実際作るとなると、年齢が上がって行くというものに使うのは、はたしていいのかというのが一つあります。この場合は、本俸の昇給というより別の手当を支給という形が良いかと考えていて、それを検討していきたいと思います。\\ これは提案ですが、たとえば、主任手当のようなものとして考えております。この辺の兼ね合いで、手当でこれに代えることが良いと考えています。 組合)いいえ、それでは困ります。教育技術職員から聞いております内容では、上級技師になることで仕事を増やすことは希望しておりません。管理職はあり得ません。教育技術職員は、各研究室に1人配置されているため、身分が管理職にはなりえないということです。特別に責任を持たされるのは難しいのではと思われます。管理職や責任ある立場になるような形でポジションを得ることで給与が上がることを希望していません。 大学)管理職は望まないということですね。 組合)はい。 大学)資格を整理しなくてはなりませんので、そういうところを実現に向けて話し合いましょう。