====== 平成24年度第1回学長交渉議題 ====== 本年度の学長交渉は、6月12日(火)に予定されています。そこで、各支部執行委員会と中央執行委員会で審議の結果、下記の議題を大学当局に提出しています。なお、これとは別に病気休業や研究のための海外出張での給与上の不利な扱いを避けるための「教育職員の有給休暇の実現」に向けた労使協議が学長交渉に先立って開かれる予定です。これについては、鋭意準備中で、その詳細は近く職組ニュースで公表します。\\ ただし、それに伴って、出勤管理が不必要に煩瑣にならないように、組合としては慎重に交渉を進めていく予定です。 以下の議題について、まだ交渉まで時間があります。ご意見などは組合事務室へ文書・メールなどでお願いします。 ===== 【要望事項】 ===== ==== 1.給与について ==== 1)3.11以降の公務員給与引下げ勧告について本学給与に反映させない旨、前回学長交渉で確認いただいているが、今後もそうであることを確約いただきたい。\\ 2)これに関連して、昨年4月から実施されている55歳以上の本俸1%減額措置は即時廃止し、場合によっては過去に遡及して差額分を支払うことをお願いしたい。\\ 3)現下の経済情勢に鑑み、特別手当あるいは賞与加算、または昇給の号俸を5以上にするなどの方法で1~2%程度の賃上げを要望する。\\  平成18年4月、人事院勧告に準拠して平均4.8%の俸給表の引下げが行われました。このときの私たち教職員の失望感は極めて大きく、大学独自の積極的な給与決定枠組みを求める声は日ごとに高まっています。とりわけ、3.11以降の公務員給与の引き下げ報道があるたびに、大きな懸念の声が組合に寄せられているのが現状です。こうした政治的思惑を多分に含んだ勧告に従う必要がないことは既に大学・組合双方の共通認識だと思いますが、長期的には人事院勧告に代わる給与交渉枠組みを模索していく必要があるでしょう。\\  上記平成18年の勧告は公務員給与を民間並みに引下げるという名目で行われました。その後、消費者物価水準で見て年率1%近いデフレーションが進んだことを考えると、実質給与水準では引き下げ分をほぼ取り戻したと見ることもできるかもしれません。しかし、デフレーションは大学経営における物的諸経費の軽減も同時にもたらしているはずであり、その分を振り向けての給与是正が行われなかったことを正当化するものではありません。\\  さらに、物価水準について、今年度以降状況が大きく変化する兆しが見られています。まず、今年2月14日、日本銀行はこれまでにない踏み込んだ表現で、年率1~2%程度のマイルド・インフレーションを目標値とするインフレターゲットを伴った金融緩和を行うことを発表しました。政府経済見通し他、各民間シンクタンクもまた2%を超える今年度の経済成長を予測していることを考えると、物価動向の逆転はかなりの確率で現実的と思われます。是非この数値を反映させたベースアップによって実質給与水準の維持を考えてもらいたく思います。\\  また、現在の国会で消費税の10%以上の水準への引き上げが論じられています。現状の給与水準で消費税がアップされれば、消費支出に比例した大きな負担増となり教職員の生活を圧迫するに至るでしょう。こうしたなか、給与抑制の姿勢を継続すれば、教職員の勤労インセンティブに重大な悪影響を及ぼすことは明らかです。知的労働の生産性を維持するには比較的高水準の給与を維持することが必要というのが経済学の通説であり、ベースアップはこれらインセンティブへの大学側の配慮をアピールすることにも繋がることになるのではないでしょうか。\\  今後、ますます諸大学間の教育の質を巡る競争が激化し、学生の獲得競争が熾烈化するなかで、教職員の創造的な勤務姿勢は不可欠の要因です。たとえば、エクストラペイの違いなどを反映して、西南学院大学など近隣大学に比較して相対的に低いと言われる本学の給与水準ですが、これが幾分でも是正される方向が示されることで、教職員の勤労意欲は大いに増大すると期待されます。それは、本学の競争力を高める最も本質的な施策であると思われます。 ==== 2.出張旅費の支給制度について ==== 現在、出張旅費の年2回までという制限が設けられているが、研究者によっては複数回の出張を希望するケースがある。理系の学会では比較的長期間の学会が多いのに対し、文系の研究者は短期間の学会に複数回参加を希望する場合が多い。このように、研究者によって学会の規模や期間、回数が異なるため、年2回支給の制度だけでは各研究者の希望を十分に対応していない。そこで、総額支給と年2回支給を各教職員が選択できるシステムをご検討いただきたい。\\ さらに助手・助教の場合、年2回支給には学会での発表者または連名の制限が設けられている。しかし、学会に参加し発表をしなくても、最新の研究結果を知ることで自らの新たな研究の発展に繋がるなど重要な機会が得られるため、この制限をなくし学会への積極的な参加の後押しをしていただきたい。 ==== 3. 定年後再雇用嘱託職員の給与について ====  既得権として考えられていた基本給を大幅に下げることは「法律違反をしていなければ道徳心が欠如してよいのか」という議論になると思います。今回の措置は一方的なやり方だと思わざるを得ません。\\  24年度以降は同じ再雇用嘱託職員でありながら、基本給が100%の職員と63-70%(24年4月に採用の再雇用者)の両方の職員が在職することになります。このような矛盾があっていいのでしょうか。何らかの手立てなくしてはこの矛盾した大学のやり方に対し憤りを沈めることができません。\\  基本給の2割減程度までなら穏便に妥協できたとしても、4割近くの減額は道徳違反と言わざるをえません。これをこのまま続けていくならば、組合としては今のような定年後嘱託という暫定的な制度は認めず、当然の帰結である65歳までの定年延長を声高に要求せざるを得なくなります。\\  しかしながら、すでに大幅な減額が行なわれている以上、先ずこの方たちへ救済としてボーナス額の増額という手立てを検討していただきたいと思います。減額された本俸を回復するため、6月のボーナスで基本給の2か月分を及び12月のボーナスで基本給の2か月分を支給していただけるよう強く要求します。 ==== 4.助手・助教の図書費について ==== 昨年度第2回学長交渉で助教への図書費が認めていただいたが、助手に対しては認められなかった。助手は研究のサポートで昇格を前提としていないと認識されているが、研究のサポートを行うにあたって過去の論文集、データ集等が必要になる場合が多々あると思われる。そのような場合に対処できるようにするためにも助手にも図書費を認めていただきたい。 ==== 5.学年暦について ====  昨年の学長交渉では、現行の学年暦については、教務委員会から上がってきた案を追認して、当面の3年間は今のように試行するということでしたが(その時点で2年目)、祝日授業と土曜授業、とくに土曜授業については非常勤講師で出講されている方、介護や育児の問題を抱える方から多くの不満が出ています。また、他大学では14回の授業と15回目を授業内試験として半期を完結させることで問題なしとしているところもあります(九大の科目全般、九産大の英語など多くあります)。組合としては、こういった弱者の声と、学年暦の持つ無理な仕組みをしっかりと理解されて、全学的に意見を収集し、議論をするよう大学側に要望すると同時に、今後制度的な見直しが必要な次年度に向けて、学年暦の問題をどのようにされる方針であるかを明確にうかがい、それを組合員に伝え、議論したいと考えています。 ==== 6.嘱託職員の雇用期限の問題について ==== 平成19年度採用からの事務嘱託職員(定年後嘱託は除く)については、最長7年という雇用期限があり、すでにあと2年を切って、間もなくその期限を迎える職員もいる状況ですが、組合としては、このように長期にわたって雇用されている方を退職させ、新たに同じ条件で新しい方を採用する人事政策は、その部署に無駄な労力を使わせることになり、さらには社会に対してはワーキングプアーの増加を増長する方向であり、大学という組織の雇用体系としては好ましくないと考えます。ついては、この雇用期限を迎えられる嘱託職員の再雇用や雇用期限の撤廃を改めて強く要望します。 ==== 7.各種ハラスメントに関する対策について ==== 「学校法人福岡大学ハラスメント防止に関する規定(全面改正案)」を確認しましたが、ハラスメント防止対策委員会委員およびハラスメント相談員は学内の人物で構成されており、構成員任命の基準も明確ではなく、こうした方々へのハラスメント被害者の立場からの相談は現実的ではないのではないでしょうか。引き続き、学内の人材開発課を窓口とするのではなく、匿名性を保証し、専門性を備えた、第三者機関を設けることを要望したいと思います。また、ハラスメント防止対策委員会委員およびハラスメント相談員の、実際の活動状況について教えていただきたく思います。 ==== 8.男女共同参画の実現に向けて ==== 旧姓使用の問題に関して、グループウエアにおける使用の改善が確認されていますが、この更新時期について確認したく思います。また、「次世代女性研究活動支援室」について、この補助金は理系のみに申請されていると聞いておりますが、今後この枠組みを文系教員、事務職員にも拡大してゆくことを検討しているのかどうか、確認したいと思います。 ===== 【確認事項】 ===== ==== 1.嘱託職員精勤手当の支給について ====  昨年の第2回学長交渉で嘱託職員の精勤手当ての見直しを確約されましたが、どの ように改善(改定)されたのかの提示をお願いします。また、在職15年以上、在職20年以上についても手当の新設もお願いいたします ==== 2.嘱託職員の契約時の賞与に関する明確な記載がなかったことについて ====  昨年度は、「基本給の約3.95ヶ月分とし、2回に分けて支給する。」と明文化されていました。しかし、今年度は「本学の規定により年2回(6月、12月)に分けて支給する。」とだけで明確な数値が記載されていません。これは大学内他部署の記載に合わせたものと思われますが、減額されるかもしれないと疑心暗鬼のまま契約に臨んだ職員もいます。疑心を晴らすためにも、経緯のご説明をお願いします。