====== 給与規程改正について ====== またもや繰り返される55歳以上の教職員に厳しい内容\\ 国家公務員に特化した給与法改正による給与規程改正の撤回を要求する\\ \\  11月12日、人事院勧告に伴う国家公務員給与法が国会において、与野党の賛成多数で成立しました。給与増(ベースアップ)勧告の完全実施という面だけが報道されていますが、実はまたもや高齢層について非常に厳しい内容であることは、すでに職組ニュースで報告した通りです。本学においても11月13日の大学協議会で十分な審議が尽くされたとは思えないのに関わらず、給与規程の改正が承認されました。その結果、公務員同様、55歳以上の教職員の方には来年4月1日に減額された給与表の改訂が行われ、以降3年間(平成30年3月31日まで)の昇給は望めないことになりました。先ずは、公務員ではない本学において、このような給与規程改正を行うことに対し、強く反対し、速やかにその部分の規定を再度改正されるように強く要求します。以下、すでに解説したことですが、再度この問題を詳解してみたいと思います。\\  何故大学協議会でこのような重要な問題が簡単に承認されてしまうのでしょうか。過日の55歳以上の本俸1%減額がいかに不当な措置であり、その後撤回されたことを考えれば、今回も公務員給与に特化した部分の給与規程の改正には、大学協議員が反対し、その部分だけでも実施を見送るように議論されるべきであったと強く主張します。\\ \\ 以下、以前の職組ニュースでも解説した点を、もう一度簡単にまとめ、問題点を解説します。\\ 今回の給与法改正の問題点は、人事院勧告に銘記された次の部分です。(全文は人事院のHPから見ることができます)\\ Ⅲ 給与制度の総合的見直し ※これに対応する資料として、今回の人事院勧告には「勧告別記5」という俸給表が添えられています。\\ (ここでその資料全てを掲載するとPDFでゆうに180頁以上になるため、次の二つのURLから俸給表を参照して下さい。①が今回の勧告の結果(ただし公務員には55歳以上の本俸1.5%減額が続いているので、その対象となる俸給は減額された金額になっています)と、②が別記5(7まであります)に対応する俸給表です)\\ ① http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/pdf/26kankokubekki1.pdf\\ ② http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/pdf/26kankokubekki5.pdf\\ (勧告は次のように続きます)次のような課題に対応するため、俸給表、諸手当の在り方を含めた給与制度の総合的見直しを勧告(以下、要点だけを記述)\\ ○ 官民の給与差を踏まえた50歳台後半層の水準の見直し [俸給表等の見直し] ① 行政職俸給表(一) 民間賃金水準の低い12県を一つのグループとした場合の官民較差と全国の較差との率の差(2.18ポイント(平成24年~26年の平均値))を踏まえ、俸給表水準を平均2%引下げ。1級(全号俸)及び2級の初任給に係る号俸は引下げなし。3級以上の級の高位号俸は50歳台後半層における官民の給与差を考慮して最大4%程度引下げ。40歳台や50歳台前半層の勤務成績に応じた昇給機会の確保の観点から5級・6級に号俸を増設 ② 指定職俸給表 行政職(一)の平均改定率と同程度の引下げ改定 ③ ①及び②以外の俸給表行政職(一)との均衡を基本とし、各俸給表における50歳台後半層の在職実態等にも留意しつつ引下げ。医療職(一)については引下げなし。公安職等について号俸を増設 ④ その他委員、顧問、参与等の手当の改定、55歳超職員(行政職(一)6級相当以上)の俸給等の1.5%減額支給措置の廃止等 (中略) 3 実施時期等 ○ 俸給表は平成27年4月1日に切替え ○ 激変緩和のための経過措置(3年間の現給保障) ○ 見直し初年度の改正原資を得るため平成27年1月1日の昇給を1号俸抑制 以上の点については人事院勧告で次のURLの中にイメージとして解説されています。\\ http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/pdf/26point.pdf\\ このURLを参照されて、とくに問題になるのは2-④の世代間の給与配分の見直しという表です。さて、上記①のURLから、例えば行政職俸給表(一)の6級の40号俸の金額を見て下さい。そこには397100円と書かれていますが、②の同じところを見ると389200円となっています。これが今回の給与法改正の意図するところです。55歳以上の方は、ご自身の号俸の金額を①と②で比べてみて下さい(ただし、1%の減額(公務員の場合は1.5%)は本学では廃止されたので、本学の新しい俸給表での金額はそれを0.985で割ったものがおよその金額になります。また本学規程集の俸給表の号俸が公務員の俸給表に対応していない場合(教育職など)もあります(後註)。そして、この勧告は国会で成立したので、来年4月に施行されることになっています。ただし、3年間限定の現給保障があり、公務員に対しては継続中である55歳以上の本俸1.5%減額措置は来年4月から廃止されるものの、実質的には3年間は相当額の給与の減額、それも今までのような暫定措置ではなく、給与表の固定という正面からの減額になります(年齢や適用される俸給表に多少の違いがでますが、現給保障が終わる3年後にようやく今回の本来の勧告の給与額に到達するかどうかで、要するに3年間給与は上がらず、場合によっては3年後に若干下がることになる場合もあるということです)。末尾に少し解説を加えます。 後註:初任給を抑えるために、不当に枠外に給与号俸(低い金額)を設定している部分があります。これも人事院準拠ではなく、本学の給与規程の大きな矛盾の一つです。\\  この人事院勧告による国家公務員給与法改正と、今回の大学協議会による給与規程改正の決定は、過日無謀にも実施され、後に廃止された55歳以上の教職員の本俸1%減額(公務員は1.5%)の措置と同じ意味を持つものであり、他大学では殆ど実施されなかった給与減額を本学だけ実施し、後日組合の強い要求により撤回したという徹を踏むものであります(遡って差額を返せとの意見も多くいただいています)。その意味で、別記5を実施するのは、またしても高齢者いじめの施策であり、永年福岡大学の発展に努力された方への思いやりの欠片も感じさせない冷たい措置で、過日の誤りを繰り返すだけのもので、それを繰り返す大学執行部のやり方には怒りさえ覚えます。この給与規程改正を起案した責任者の更迭を要求し、大学に対して、直ちにその部分の撤回を強く求めていくつもりです。\\  それと同時に、本学の給与体系の中にある多くの問題点も指摘していきたいと思います。それは、ここでは書ききれないほどのものがありますが、今回の学長交渉議題の中にもそのいくつかを取り上げていますし(後註)、それ以外にも今後取り上げたい問題として、役職者に支給されている10%の法定内超過勤務手当(一般職員は7%なの)、役職者の賞与の加算(プラスα)の金額が非常に多く、その算定はどのようにしているのかについて(公務員の場合は加算式がはっきりとしている)、などなど弱い立場の給与(例えば嘱託職員の精勤手当のほんのわずかな増額さえ認めない)を犠牲にして、こういった福大独自の無駄な給与体系が存在することを明らかにしていくつもりです。\\ \\ 後註:一番大きな問題は役職者の不当な4号俸昇給、それに賞与の恣意的なプラスαの操作です。\\  現在の財務担当副学長が、学長候補になられた際の所信で「福大独自の給与体系が必要である」と述べておられたことは、以前学長交渉の場でも指摘したことですが、もし、その所信が変わっていないのであれば、今回の給与規程改正の前に、組合や教職員の声を広く聴いて、その過ちに気付くべきであったと、強く主張しておきたいと思います。\\  この問題の撤回に向けた組合の要求実現に向けて、組合員の皆様の強い支援を心からお願いします。\\ (給与法改正のポイント:過去のニュースから再掲)\\  今回の人事院勧告で改正された俸給表で、行政職(一)の6級の36号を現在もらっている方がいると仮定して説明します。(本学の俸給表は1.5%減額がないので、金額は異なりますので、それは後日詳しく説明しますが、考え方は同じです)\\  その方は来年平成27年1月昇給して6級40号397100円になります(この部分も公務員は原資確保のため昇給号俸がマイナス1になりますが、本学では一律4号俸昇給で、それはないので、無視します)。ところが、給与法改正が成立し、平成27年4月からはその方の本俸は389200円なってしまいます。これは給与法改正(55歳以上の俸給表を2~4%減額)という俸給表改正での減額で行われるため、暫定的な経過措置ではなく、正面からの減額になり、回復はありません。ただし、3年間平成30年4月までは現給保障(この方の場合397100円)が行われます。この方の場合、平成30年1月まで新しい(減額されて改正された)給与表で昇給するとその方の給与は6級の52号(398700円)になるので、現給保障額の397100円をわずかに超えて、その時点で現給保障はなくなり(ただし現給保障額を超えないと4月に給与が減額になります)、その金額がその方の正式な本俸となり、翌年以降もそこから昇給することになります。考えてみれば本来はもっと昇給するはずが、3年間全く昇給しないことになるわけです。これは現給保障の金額を実際の本俸が追い越す例ですが、場合によっては追い越さずに平成30年4月の時点で給与が下がる方もいます。いくつかのケースを調べましたが、例えば現在、教育職員(定年70歳の場合)で60歳以上の方は、65歳で昇給停止なので、もしこの措置が本学でも実施されれば、昇給停止前の5年間はほとんど給与が上がりません。概算で、現在教育職員だと59歳(65歳定年の方だと、54歳)あたりから上の方、事務職員だと55歳以上のかたは、ほとんど給与が増えないことになります。\\ \\ 追記:学校教育法改正に伴う学則改正の問題が急に表面化しています。組合も文科省のガイドラインを入手しており、それと本学の学則改正案がどうなっているかについて、至急検討しています。この問題については、本学の改正案を学校教育法改正の勉強会の講師をしていただいた先生にも見ていただいており、近く学則改正案の解説をお届けするつもりです。