目次

三六協定締結を前に要望書を提出

サービス残業・過重残業の実態の調査

教育職員の有給休暇制度への強い要望

要望・質問書

平成24年2月2日
福岡大学長 衛藤 卓也殿

福岡大学教職員組合中央執行委員長
山﨑 好裕

 寒風の候ながら、学長におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。
さて、これまで三六協定については特に滞りなく締結されてまいりましたが、このたび、そうした組合と経営との信頼関係を揺るがす事態があることが確認されました。平成24年度三六協定締結の期限が3月末に迫っていますが、今年度は下記2点について、誠実な対応・回答がなされることを、締結の前提条件としたいと思います。
 次年度早々から私たち教職員が大学業務を円滑に遂行できるために、大学執行部の迅速かつ真摯なお取り組みを期待いたしております。

要望・質問(1)
三六協定書に明記された残業時間限度を超える残業が福岡大学病院で行われていることが、残業日誌等の明文化された資料から判明しました。今年度のみならず継続的に行われていたと推測されます。
また、1年間を通じて病院職員に「医療安全院内教育」への出席・受講が就業時間外に義務付けられていました。
この2点につきまして、下記の通りの対応と回答をお願いいたします。
1. 残業時間に関する三六協定上の規定の遵守を徹底するよう学内全部署に再度文書をお回しください。併せて、これまで規定を超える残業が行われた実態がないか、調査をご指示ください。また、上記規定の内外を問わず、もしも支払の行われていない残業があると判明した場合は、当該残業手当を速やかにお支払いください。
2. 上記の「医療安全院内教育」は残業として扱われて、手当も支給されておりましたでしょうか。お答えください。また、今後はこうした義務的な講習については、教職員のワークライフ・バランス実現のためにも、就業時間内に行っていただく旨、強く要望いたします。

要望・質問(2)
教育職員の病気休暇や在外研修(および国内研修)について、給与や賞与に影響のない形で休暇を取れるように制度化するか、他の職種と同じように有給休暇制度を教育職員にも創設することを要望します。
なお、確認事項として、次のような場合での賞与のプラスα部分への影響の有無をお答え下さい。
1. 教育職員がやむを得ず(病気または学会出張などで)授業を休講にして、補講をした場合。
2. 教育職員がやむを得ず(病気または学会出張などで)授業を休講にして、補講をしなかった場合。
3. 教育職員が授業に影響のない期間に、私費や公費で国内または海外へ視察や研修旅行をした場合。
4. 教育職員が授業に影響のない期間に病気治療のため入院した場合。
5. 教育職員がやむを得ず教授会等の会議を欠席した場合。
6. 上記5項目について、何らかの影響がある場合は、どのような条件で、欠勤が何日(休講が何回)から影響があるのかをお答え下さい。

 (意見)本学教育職員の就業規則には、授業コマ数のノルマしか書かれておらず、有給休暇に関する規程は他の職員のように存在しません。これは、裁量労働制をとっている九州大学をはじめ、多くの他大学の規程と比較すると重大な欠陥であると言わざるを得ません。その上、教育・研究の指導に影響のない期間に病気入院、公費または私費の在学研修などで、賞与のプラスαの部分が減額されたということが判明しましたが、組合は、現在の就業規則のもとでの減額そのものが不当であると考えます。(九州大学には教育職員の有給休暇の規程がありますし、多くの他大学も同様です)なお、(たとえ補講を前提にしても)やたらと授業を有給休暇で休むような場合や、学生の指導に支障が出る場合には、所属長が事情を聴取して時季変更権を行使し、その休講を認めないことも可能であることを付言します。
 さらに付け加えると、有給休暇は労働者に認められた基本的権利だということです。関連する労働法をよく読めば、有給休暇制度創設を望む組合の提案を使用者側は拒絶できないのです。これは裁量労働制の場合にも上述のように制度を設けることができるので、そのように就業されている労働者にとっても基本的権利として確立できるというのが大勢の解釈です。もちろん、細部については労使間の合意が必要なのは言うまでもありません。
 もし、有給休暇制度が締結できないのであれば、賞与のプラスアルファに影響のない病気休暇や国内および海外への研修旅行に対する明文化された休暇制度の導入を要望します。なお、この問題は広く教育職員の間に提起されており、上記1から6の点について疑心暗鬼になる状況を作り出しています。早急に解決策の提示が求められます。

解説:組合は、三六協定締結の前提として標記の重要な問題について大学からの誠意ある回答を求めることにしました。なぜなら、組合が労働者の基本的権利が侵害されていたり、実現されないとき、その対抗手段として唯一行使できる手段が三六協定締結を保留することだからです。

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