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2014_05_07_平成26年度第1回学長交渉議題ver.2

目次

平成26年度第1回学長交渉議題(修正版)

 第1回学長交渉は6月12日(木)に開催を予定しています。組合では、両支部執行委員会の議を経て、中央執行委員会で以下の議題を成文化して、4月30日大学に提出しました。皆様にも交渉前にその全文をお届けします。ご意見や不明な点があれば、組合事務室へのメール、学内便での文書の送付、facebookへの投稿などでお願いします。未解決の問題が多くあり、新たな問題もあれこれ出て来たため、議題が非常に多くなっています。そのため、前言として次のように要望しています。
『前言:今回の交渉議題は難問山積の状況故に、非常に多くなっています。以下の議題について、学長交渉前に、学長名または責任部署長名の文書、或は担当副学長との事前交渉において口頭で回答いただけるものがあれば、それで構いません。ただし、組合として回答を受け入れ、議題から外すかどうかの判断のため、学長交渉までに10日程の期間をもって、ご回答下さい。なお、納得できない回答であれば、再度学長交渉で取り上げることになることもご了承下さい。』
 事前に回答があった場合には、その都度皆様にお知らせしていこうと思います。重要な問題ばかりです。大学の誠意ある回答を要望します。

交渉事項1. 給与に対する不利益変更を行う際の事前通達について

一部職員に対して狙い撃ち的に行われた「賞与のプラスαの減額」や「1年間に昇給する号俸数を減らす(例えば4号俸昇給を2号俸昇給にする)」等の教職員の給与に対する不利益変更を行う場合、その理由について必ず事前に不利益を受ける教職員および教職員組合へ文書で通達することを強く望みます。

交渉事項2. 消費税率上昇に対する給与のベースアップについて

平成18年度に公務員給与の大きな改定が行われました。「人事院勧告に準拠する」という方針で福岡大学の俸給表も同様に改定されましたが、昇給の仕方は公務員と全く異なります。特に役職者の昇給は、公務員の場合1年で3号俸であるのに対し、福岡大学では1年で4号俸です。俸給表の改定から8年経過しているので、役職者は公務員より8号俸(およそ3年分)多く昇給していることになります。以前より、「財政難かつ人件費の高騰」を理由に、教職員の給与の抑制や減額などが行われていますが、その一方で役職者には手厚く給与を増額しているという現実があります。
「財政難かつ人件費の高騰」によって教職員の給与を減額しているのであれば、まず役職者の昇給を公務員と同様、1年で3号俸に改めるべきでしょう。その改革によって生じる余剰金は、昨年末に突然実施された一部職員に対する賞与のプラスα減額の回復ならびに特に給与水準の低い嘱託職員・労務職員の本俸や各種手当の増額に充てるべきと考えます。
本年2月に行った「賞与のプラスαに関するアンケート」の調査結果では、一部の教職員に対する賞与のプラスα全額カットに対する憤り、消費税率上昇に対する不安、嘱託職員・労務職員の昇給や手当の増額などの多くの御意見・御要望を頂きました。昨今の経済状況下、今や大学に対する不信感は頂点に達しているといっても過言ではありません。組合に寄せられた御意見・御要望を列挙します。

  • 賞与のプラスαが減額されてショックを受けた
  • 特に医療技術職員の再雇用者や他の医療機関で経験のある職員が、採用2年目の医療技術職員よりボーナスが大きく低いという現実は受け入れがたい
  • 辞令交付の際、「冬のボーナスは期待して下さい」と言われていた
  • 賞与のプラスαが減額された理由を知りたい
  • 減額される前に知らせて欲しい
  • 消費税が増税したのだから給与も上げて欲しい
  • 嘱託職員や労務職員の給与は低すぎるので、消費税が増税するとますます生活が苦しい

大学当局はこれらの声に真摯に耳を傾けられるよう切に願います。 4月から消費税率が8%へ、2015年10月には10%へ引き上げられる予定です。組合には「給与が殆ど上がっていないのに消費税増税は本当に厳しい」という声が多数寄せられております。大和総研の試算によると、今回の消費税増税によって実質可処分所得(=手取りで現在(消費増税前)の物価に換算していくらのモノやサービスを購入できるか)が大きく低下し、この先5年でその減少率はほぼ7%以上になるということです。消費税率上昇前に比べて、使えるお金が7%も減るということは家計にとって大打撃です。大学の教職員が安心して仕事に打ち込み、安定した生活を送ることが出来るようにするためにも今回の消費税率上昇を乗り越えられるような給与のベースアップが必要ではないでしょうか?今年の春闘では、多くの企業がベースアップに踏み切っております。ベースアップの金額には業種によって幅はありますが、平均2000円程度アップしております。(日産3500円、ローソン3000円、ファミリーマートトヨタ2700円、ホンダ2200円、三菱自動車・パナソニック・日立2000円など) 従いまして、組合は「嘱託職員の本俸の2000円増額」ならびに「専任職員の本俸も2000円に相当する号俸引き上げによるベースアップ」を要求致します。このベースアップは本年4月から行われるべきであり、その原資として、上述の「役職者の定期昇給を1年で3号俸に変更」等による給与改革で対応すべきだと考えます。

交渉事項3. 賞与の減額の回復について

 労働組合には賞与を含む給与の問題を労使協議の対象にするよう雇用者側に求める権利が保障されています。 (注:労働基準法第90条には、使用者(大学)は就業規則を変更する場合、「当該事業場、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならず」、また、労働基準監督署へ就業規則変更の「届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない」と規定されています。これは同法第36条の「(1日8時間を超える)時間外及び休日の労働」を可能とするための三六(さぶろく)協定の場合も同様で、大学は当該事業場の労働者の過半数を代表する者(または過半数を組織する組合)と当該協定を締結する必要があります。)
その意味で、大学はこの十数年に亘り、組合が要求しているにもかかわらず、給与規程の一方的な改訂(改悪)を続けています。この4月になって、その一部(55才以上の本俸1%カット、現給保障の継続)がようやく改善されましたが、未だ多くの不利益(とくに人事院勧告援用による恣意的な給与規程改悪:例として、枠外の給与号俸による初任給の抑制、公務員とは異なる昇給方式とくに役職者を優遇する措置、中途採用の方の初任給の抑制、また給与とは別に、嘱託職員の雇用期限にみる労働条件の一方的改悪など)が残っており、それらが本来は労使協議の対象となるべき事項であるにもかかわらず、一方的に通告もされずに実施されています。このような状況において、昨年12月支給の賞与について、すでにアンケート結果でも明らかなように、プラスαの算定方式に変更があり、プラスαの減額が、とくに一部の新任者を狙い撃ちにして実施されたことが虚しくも確固たる事実となりました。
 大学は『賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであつて、その支給額が予め確定されてゐないものを云ふこと』(昭和二二年九月一三日、発基第一七号(都道府県労働基準局長あて労働次官通達))を根拠として、人事院勧告通りの支給率(現行は年間3.95ヵ月分)は原則保障しており、その上乗せ部分としてプラスαがあり、これは大学の予算の範囲内で毎年の状況に応じて総合的に判断しており、今後も公開することはないと主張されていますが、これは大きな間違いであり、今後賞与については労使協議によって支給率を決めることを強く要求します。また、そのような方向を一方的に拒絶される場合は、組合として、これまでの労使間の懸案についても再度強硬な態度を取らざるを得ず、来年度の三六協定の内容、労使間の問題のいくつかの懸案(例えば、教育職員の有給休暇問題はある提案で棚上げになっていることなど)を労働委員会や文科省へ提訴すること、また今回の賞与の不利益のあり方についても労働委員会へ相談すること、および大学協議会や理事会のメンバーへ今後は問題があるごとに直接抗議文を送るなどの措置を取らざるを得ません。
 何故大学の回答が間違いであるかについて述べると、本学には給与規程に賞与の規程がありません。これについての法解釈ははっきりしていて、給与規程に賞与の規程がない場合は、極端な話し、賞与を支払わなくてもよいことになっています。これが上記の大学の主張に根拠がないことを明らかに示しています。すなわち、通例的な支給が行われている場合(本学の求人要項には年2回賞与が支給されると明示されている)は賞与が給与の一部と見做されるというのが定説です。故に、本学では大学が主張しているのとは異なり「人事院勧告支給率プラス一定程度の加算額」が支給されてきて、それが賞与に関する労使間の暗黙の了解になっているのです。新聞で詳解されている労働研究所の説明によれば、この状況は「使用者の明確な規範意識に基づき、ある一定の賞与支給がなされていた」と解釈されており、法的効力のある労使慣行が成立している、とされます。
 故に『給与は労働組合の基本的交渉事項で、労使協議の対象とするように組合は要求でき、経営者はこれを拒否できない』ということから、今回の減額は組合への通告なしに一方的に実施されたことで、この減額の原因が何に基づいて実施されたのかという説明を求める権利と減額の回復を求める権利を有しています。仮に「財政的に苦しくなった」のが理由であれば、それを説明する義務があります。それとともに、何故採用初年度の一部職員にだけプラスαがなかったのかという(要するに今までの慣例を破る大幅な不利益という格差を生じさせた)基本的な算定方式の中身を説明する義務もあります。それなのに、何ら情報公開がないのは、プラスαがいわゆる闇給与であることを認めたようなもので、経営者の都合で勝手に減額することができる給与部分ということになります。付言すれば、財政的に苦しいのであれば、管理職の立場への相当な額のプラスαが先ず削減の対象になるべきです。(この部分でも公務員準拠ではなく、管理職へのプラスαにも独自の算定方式が存在していることが推察され、これも改められるべきです)
 今後このような労使協議がないまま給与という重要な労働条件の不利益変更が行われるのであれば、その協議を無視した立場にいる財務担当副学長および事務局長の責任を強く糾弾するつもりです。
 「減額された賞与の満額回復支給」、「減額のための算定方式の撤回」、「賞与のプラスαの算定方式の開示」を強く要求するとともに労使協議とは何かという重要な理念を真摯に再認識されるよう強く求めます。

交渉事項4. 嘱託職員の雇用期限について

平成24年労働契約法改正は、有期労働契約において、通算契約期間が5年を超えた場合、無期労働契約への転換権を労働者に与える旨を規定する(労働契約法18条)。また、同改正は、有期労働契約と無期労働契約に関して、その労働条件の相違は、職務の内容および配置の変更その他の事情を考慮して、不合理なものであってはならないと規定する(同法20条)。このように平成24年改正法は、労働契約が有期なのか無期なのかではなく、労働者の職務内容に従い、職務内容が同じであれば、同一の労働条件であるべきと規定する。さて、このような法改正の理念に従えば、平成19年度以降採用された嘱託職員について、すでに5年を超えて有期労働契約が締結されているのであるから、これら嘱託職員に対して、無期労働契約への転換権を認めるように要求します。
 平成26年4月1日締結される有期労働契約とこれ以前の有期労働契約期間を合算して、通算契約期間が5年を超えた嘱託職員に対し、かりに使用者である福岡大学が、無期労働契約への転換権を認めない場合、臨時労働者の雇用や生活の安定を図るという改正労働契約法の趣旨から、使用者である福岡大学が、これら嘱託職員に対する正規職員への登用制度を創設し、かつ常用的に運用することを要求します。もし福岡大学が嘱託職員の有期雇用5年超による転換権発生を回避するため、平成26年4月1日以降に締結される有期労働契約を最長5年で雇い止めするなら、それは、福岡大学にとっても良いことではありません。なぜなら、福岡大学を愛しかつ仕事に慣れた有益な人材を、雇用期間5年という画一的な基準で、福岡大学に留めることができないからです。あらためて、嘱託職員の正規職員への登用制度の検討、実現をお願いします。

交渉事項5. 平成26年度に雇用期限を迎える嘱託職員について

今年度に雇用期限を迎える嘱託職員については、できる限り再雇用することを要求します。福岡大学にとって、これまでの経験で培った能力を継続して活用してもらうことが、公立・能率的な職務の実現・遂行に不可欠となるからです。また、これら職員に対して採用試験を実施する場合には、実施時期の早期実施をお願いします。職員が不採用になった場合の進路対策の必要性等を考慮すれば、12月より早期の実施が必要です。現行よりもできるかぎり早めに実施していただけるよう要望します。 

交渉事項6. 教育研究職員の雇用期限について

上記事情は基本的に、教育研究職員についても該当します。また、教育研究は経験と蓄積が重要であり、優位な教育・研究者が福岡大学に在籍し、成果をもたらすためには、有期雇用ではかなりの限界があります。有期雇用の教育研究職員(たとえば助教、助手)を廃止することが必要です。
また、現在有期雇用の職員に対しては、無期雇用への転換を要求します。このような職員については、学部によって雇用期間などの条件が異なっていますが、学部の特質などからやむを得ない場合をのぞき、原則として同一の労働条件とするよう要求します。

交渉事項7. 残業問題と時間外手当の適正化について

組合員から「残業が常態化している部署がある。」、「特定の教職員への偏った過剰業務がある。」といった情報が組合に寄せられています。早朝出勤や夜の残業などについて、その労働時間が正確に記録されておらず時間外手当が適正に支払われていないのではないかとの不信感を大学に対して持っている教職員もおります。労働基準法および三六協定の遵守のためにも、教職員の過剰業務に対して、大学主体の即効性のある組織的予防措置を要望します。
残業問題を検討するためには、時間外労働に関する客観的な事実の把握が必要です。時間外労働の実績について、これまでのような課・室ごとの一人平均時間外数だけでは、労働者に対する残業負担が確認できません。課・室ごとの一人平均データだけではなく、各人ごとの時間外数のデータ提示を求めます。

交渉事項8.研究へのインセンティブを高める制度の導入

教職員の研究活動に対するインセンティブ向上を図るため、特許取得や著名な賞の受賞、また外部の大型研究資金獲得などがなされた場合には、昇格時の評価や昇給・賞与面などに反映させる制度を導入することを要望します。また同時に、大学ホームページのトップページやFUポータル、学園通信などを通じて、研究活動に対してこれまで以上に積極的にピーアールする取り組みを求めます。 

交渉事項9. 学年暦に起因する弊害の改善

平成26年度の新学年暦においても、半期15回講義(2単位科目の場合)・30回講義(4単位科目の場合)を維持するために、土曜・祝日の授業が生じています。これにより、育児・介護等への様々な不利益が生じています。教育職員の場合、有給休暇によって対処することができず、苦慮している現状にあります。(その他、負担の重さから、非常勤講師に依頼しづらくなるという問題もあります。)
そこで、夏季休暇期間を確保しつつ、土曜・祝日授業の負担軽減を図ることを強く要望します。具体的には、以下のように、補講を容易にする措置、あるいは補講を不要とする措置、また振替「休日日」の導入を要望します。

(1)補講の容易化

 昨年度の学長交渉においても、組合側より土曜・祝日授業の負担軽減策として、補講時限を特定の週ではなく毎週6時限目に設けることを提案しました。この点について、大学側は課外講座や課外活動等など何点かの支障を指摘しつつも、「これを前提として様々な対策を考えていきたいと思っています。」と回答しています(2013年第1回交渉)。この点の検討状況を確認したいと思います。

(2)補講の不要化

 補講時限の毎週化等、補講の十分な容易化が不可能なのであれば、以下の措置をお願いします。育児・介護によって土曜・祝日の休講を余儀なくされた場合には、補講の必要がないとすること。そして、その場合には、給与等の点で不利益な取り扱いがなされないこと。これらの措置は、現在教育職員に有給休暇制度がないことによるやむを得ない措置であると考えます。

(3)振替休日の導入

 祝日が授業日とされた場合の代替措置として、現状では授業のみが休講となる振替「休業」日が設けられていますが、これを全ての業務が休業となる振替「休日」日にすることを要望します。

交渉事項10.出張旅費について

① 総額支給制を導入し年2回支給制との選択を認めるよう要望します。  総額支給制の導入は、教員のみならず大学にとってのメリットがきわめて大きいと思います。学会等に積極的に参加したい教員は出張費を安く抑えて出張回数を増やすので、2回支給の場合と同じ総額の中で、出張回数が増えることになります。  このことは、大局的にみれば、本学の研究活動をこれまで以上に活性化させ、厳しい大学間競争の中で本学の存在感をアピールすることにもつながるものです。大学としては、負担を変えないまま、より大きな広報的効果を期待できることになり、何ら大学にとって不利益はないと思われます。
 昨年度の学長交渉では、2回支給・総額支給選択制は、予算執行率の上昇とそれに伴う日当・宿泊費を含めた支給総額増加の懸念を述べられていますが、試験的導入による検証も行われていない現段階では単なる予測にしか過ぎません。
 厳しい大学間競争を勝ち抜き、地域の拠点大学としてさらなる発展を遂げるためにも、総額支給制の導入を進めるよう要望します。
② 助手・助教の出張に対する連名・発表要件の撤廃  現在、助手・助教が2回目の出張を行うためには、連名または発表の要件を満たさなければならないことになっています。昨年度の学長交渉では、科研費取得による旅費予算支出を推奨されています(「旅費については、基本的には科研の申請をしていただいて、研究費などは捻出していただきたい」(2013年第1回交渉))。
 しかしながら、科研費に採択されるまでのフォローは大学側が行うべきことであり、そもそも制度の利用しやすさとは別の問題です。制度改善によって執行率の向上も図ることもできます。よって、現在の連名、発表の要件は撤廃すべきであると引き続き要望します。

交渉事項11. 給与明細書の記載内容の詳細化

給与明細書には各種諸手当の項目があります。例えば、「時間外超過勤務」の項目ですが、何時間の時間外超過勤務に対しての手当なのか全く明確でありません。時間外超過勤務時間数を明記していないということは、未払いの残業手当があるのではないか?という疑念が生じても仕方ありません。同様の例として、「休日の緊急呼出しの手当」や「オンコール手当」等もあります。各種手当ての算出根拠となった時間数や日数等を給与明細書に表示することを要求致します。

要望事項1. 嘱託職員の給与改善について

本学の嘱託職員について、労働契約法の均衡考慮義務とパートタイム労働法の精神が、大学当局に欠けているのではないでしょうか。組合は、そういった法令精神を尊重して、大学に対しては、嘱託職員(事務嘱託職員)については登用制度の充実、雇い止めの廃止、給与や手当の充実を要求し続けていますが、過去の学長交渉では、精勤手当にだけ若干の進展があったものの、全体では大学の姿勢は明らかにパートタイム労働法と労働契約法の精神に反し、また実際に嘱託職員の給与は生活給として見た場合、九大などの国立大に比べ著しく低く、ぎりぎりの生活を余議なくされています。
 嘱託職員の普段の仕事ぶりは素晴らしいものであるにもかかわらず、労働条件は予想以上に劣悪であり、その給与は大学当局が述べるように近在の大学と同じかそれより良いというのも間違いですし(過去の学長交渉では嘱託職員の年収ベースで近在の私立大学の例が出されましたが、勤務時間や就業条件が異なっていて、単純に比較できないので、見本となるべきは九大の嘱託職員であるべきです)、生活給としてはぎりぎりの額であると言わざるを得ません。一方、社会の趨勢は、パートタイム労働法や労働契約法の規定を尊重する流れにあり、とくに一流といわれる企業や機関では、非正規雇用者の正規雇用への転換、非正規雇用者の労働条件を正規職員へ近づけるといったことが積極的に行われています。また4月からの消費税の8%への増税も実施される中、大企業では賃金のベースアップが行われている現実もあります。西日本有数の私学を自負する福岡大学においても当然このような方策がとられるべきであることは論を待ちませんが、平成19年採用の方から雇い止めを設け、登用制度はないがしろにされたままだし、おまけに給与などの労働条件が良くなる気配もなく、むしろ人事院勧告を嘱託職員にまで援用するため、悪い方向に行っているというべきです。
 以上の趨勢を考慮されて大学の公正な姿勢を期待するものです。給与面での条件改善に向けては、手当の充実(精勤手当の増額、住宅手当、扶養家族手当などの新設)、昇給の望める給与体系(精勤手当に加え、勤続年数に応じて行政職の給与表の号俸が上がる仕組み)などを強く要望しますが、とくに諸手当については、早々に実現できるものであり、実際に独りで生活されている方や、扶養家族がいらっしゃる方などは、予想以上の苦しい生活を余儀なくされていますので、最優先で実現されるように要望します。
(添付資料:筑紫病院における嘱託職員の勤務実態について:組合側で一部編集していますが、是非その声をお聞きください)

筑紫病院 事務嘱託職員代表

筑紫病院 事務嘱託職員の労働条件について(要望)

筑紫病院の事務嘱託職員の労働条件について、早急に改善をお願いしたいことがございます。
筑紫病院の事務嘱託は全員で28名です。そして今回の登用試験資格対象者が19名でその中でも10名、約半数以上は20年以上の永年勤続者です。開院当初から、筑紫病院の為に専任職員と同様に、日々仕事に励んできました。その間この20年給料は全く上がらず、年収250万円余りの給料で親を扶養し、子供を養いがんばってきた方々が数多くいます。
そこで、筑紫病院事務嘱託職員の業務内容の一例を述べさせていただきます。
まずは、管理課の業務内容から御説明します。
現在、筑紫病院の管理課は人事庶務部門・経理部門・用度部門・医局受付・看護部長室付事務の5つの部署に分かれて業務を遂行しております。そして各部署に必ず1名~2名は女性が配属されていますが、全員嘱託職員です。そしてその全員が、筑紫病院が開院した当初から勤務している者がほとんどです。筑紫病院を開院当初から支えてきました。
 仕事内容は、たとえば、「人事庶務部門」は私学事業団関係全般業務、私学共済研修、人事の採用・退職関係書類作成、労災業務、旅費全般業務、雇用保険・グループ保険関係業務、届出関係、決算一部資料作成、女性職員全員の制服の起案・発注、「経理部門」では月次収支計算書作成、前渡金振替資料作成、支払業務全般、総合振込依頼書作成、法定調書作成、オフコン関係業務、「用度部門」では請求書月末処理業務全般、薬事委員会資料作成(起案)、単価契約品マスター管理、医薬品関係全般、業者との消耗品価格交渉、物流システムの管理、用度研究会への出席、医師・看護師・医療技術職員全員のユニフォーム貸与関係、物品請求関係、印刷物・消耗品の定期請求・払出し業務、全職員のロッカー鍵管理、「医局受付」では医師人事全般補助、医師当直関係、医師出勤簿管理、BSL関係、実験実習費関係、受付業務(MRとの折衝・電話応対)診療部長スケジュール表作成、学会抄録・研究資料作成補助、郵便物・資料の配付、白衣の仕分け、物品管理・発注、出張関係(航空券の手配)「看護部長室付事務」では看護管理状況、活動状況のデータ処理、看護職員の人事データ関係、各種委員会会議等の資料作成、看護関係診療報酬に関する書類の作成、看護職員・訪問者・電話の応対等です。以前、専任職員の方がしていた仕事をそっくり引き継いだ方もいらっしゃいます。
 次年度の予算編成の時期になれば、当然のように専任職員と同じように予算編成業務の割り当てがあります。
 次に、外来クラーク業務です。外来受付に関する業務、診療準備に関する業務(X線フィルムや内視鏡・心エコー検査等の準備、入院カルテの取り寄せなど)外来患者や面会者・外来者・職員の窓口応対、電話の応対、インターホンの応対、診断書・証明書等の業務、公用郵便物の発送、印刷物等のコピー、印刷物・消耗品の請求・管理、薬品・製剤・衛生材料の請求・管理、物品請求票による請求・検収・収納、報告・確認に関する業務、診察室・処置室・外来受付窓口の整理整頓などです
これはほんの一部ですが、責任ある仕事をせざるを得ない状況であることは間違いありません。
しかしながら、現状の仕事に不満を抱いているわけではありません。私たちを信じ、責任ある仕事を任せて頂いていることに、やりがいと誇りを感じているのは言うまでもありません。それゆえ、見合っていない給与に矛盾と落胆を覚えます。
本音を申し上げますと、嘱託職員の業務内容の重さの違い、これは大学と病院との違い、そして福大病院と筑紫病院との違いがあるかと思います。大学の専任職員と嘱託職員とでは業務の内容の棲み分けがきちんとされているようですが、筑紫病院では開院当初から少人数で担当している為、それが全くなされていない状況です。また、業務量の多さ、煩雑(繁雑)さなどに伴い季節休暇(季節休暇とは大学との労働時間の差として年間15日間与えられた休み)を消化するのが精一杯で、年次有給休暇消化まで達しません。
専任職員の方は、いろんな手当の支給がなされていると伺いましたが、嘱託職員には通勤手当と精勤手当しか支給されていないのは、法的に専任職員と同様な手当はつけられない問題があるのでしょうか。もし、法的に認められるのであれば、先に説明させて頂きました違い部分を、たとえば、「筑紫病院嘱託特別手当」として考えて頂き、業務の効率的な遂行を行う上で自己研鑽をする為の手当として5年・10年・15年・20年と勤務年数に応じた付加を検討して頂きたいと思います。
基本給158,300円、手取り130,000円程度です。せめてあと50,000円どんな形でも結構です。まずは、手当による実質的な給与改善をお願い致します。
この、長年の頑張りを認めて頂きたく、早急な改善を強く要望致します。
最後に、有期雇用嘱託職員の方の問題も、今回再雇用の道を開いて頂いたので、5年、7年で評価を受けて、良い人材であれば、雇い止めというのは現実問題存在しなくなるということに結び付くと思います。ゆえに、嘱託職員全員が65歳定年まで働けるということになりますので、専任職員と同様、手当の支給も実現できるのではないでしょうか。

要望事項2. 看護師の定年延長について

 現在福岡大学の定年に関する規定では、専任の看護職員の定年は、看護部長63歳、それ以外の看護職員は60歳となっています。平成14年3月から看護婦・看護士の呼び方が「看護師」に統一され、男女区別なく働ける職場環境となっています。
また、看護師の中には、専門性を追求し、さらに高いレベルの知識や技術を身につけた認定看護師、専門看護師、診療看護師など管理職的なベテランの看護職員も多数見られるようになりました。言うまでもなく、福岡大学病院、筑紫病院にとっては、無くてはならない存在となっています。
このような状況で、定年が看護部長以外一律60歳というのは、国の定年延長に関する施策にも反すると思われます。つきましては、他の職種と同様、一定期間勤務した看護職員、専門の資格を持っている看護職員の定年を延長していただくよう要望いたします。

要望事項3. 専任職員への登用試験対象者を全嘱託職員へ拡充することについて

 昨年嘱託職員に対して登用試験が実施されたことに対し深く感謝申し上げます。労働条件の厳しい嘱託職員に一筋の光が見えたと非常に喜んでおります。しかしながらその受験が事務嘱託職員に限定されているのは非常に矛盾していることであり、医療技術嘱託職員、看護師嘱託職員、教育技術嘱託職員、労務嘱託職員の中にも10年以上勤めその中には非常に優秀で福岡大学のために献身的に働いている人たちがいます。その優秀な人材を活かし、福岡大学のために益々頑張ろうという志気を高めるためにも受験のチャンスを作っていただくことは非常に有意義なことと思います。よって全嘱託職員に対し専任職員への登用試験制度が適用されることを強く要望いたします。

要望事項4. 乳がん・子宮がんなどの性別特有のがん検診への配慮について

 昨年の第1回学長交渉の際に大学側から、“女性特有のがん検診について、福岡市が実施している検診の受診を前提として、かかった費用を大学が還付するようなシステムを平成26年度にむけて前向きに検討しようという方向で了承しました。ただし、これを実施するには予算措置を講じなければならないので、本年度の職員定期健康診断のときにアンケートを実施して希望者がどれくらいいるか人数を調査し、予算を決めて実施していこうという結論になっています。”と回答を得ておりました。これにともない定期健康診断の際に予算措置を講じるためのアンケートも実施され、その結果、約330名の回答のうち約6割の約200名が検診を希望していたことが分かりました。しかし、希望者の人数把握ができたにもかかわらず、平成26年度のがん検診の費用還付は予算がつかないとの理由で残念ながら見送られてしまいました。平成26年度に実施すると伝えられていたため、予想外の後退でした。前向きに検討し、予算を決めて実施するという大学の回答が偽りではなかったことを示していただくためにも、是非、乳がんや子宮がんなどの検診のための休みをとりやすくするなど、外部検診を受診しやすい職場環境を制度的に作っていただき、市などが実施している外部検診を本学教職員が受診した場合、かかった費用を大学が還付するようなシステムを早期に設置していただくよう要望します。

要望事項5.育児や介護など必要がある方々への配慮義務の問題

 ①.育児休業と介護休業は、そもそも休職とは分けて考えるべきものであり、国の法律で取得を奨励しているものです。それにもかかわらず、福岡大学の退職金規程第6条が「休職、介護休業および育児休業の期間は算入しない」と規程変更されたことは、国の少子化対策や高齢化対策の方針にも逆行するものです。介護休業や育児休業の期間を退職期間算定期間に含まないのは雇用者側の自由ですが、すでに国立大などでも、介護休業はおろか、育児休業期間も退職金算定の期間に組入れたところがあります(例えば、長崎大学)。当然、育児や介護は今後本学でもそれを強く支援しなければならない問題であり、それらが教育・研究・医療などの現場で悪影響を及ぼしたりすることがないように、大学側の後退しない施策を要望します。育児休業や介護休業は休業であって休職ではないことを認識していただいた上で、子育てや介護をしながら働ける職場環境を整えるため、また、大学が目指している男女共同参画社会の実現、ワークライフバランスの推進のためにも、退職金規程第6条には「介護休業および育児休業」を含まず、「休職の期間は算入しない」と規程変更していただくよう要望します。また、任期期間の問題として、任期制の方の育児休業や介護休業期間が任期期間に含まれないよう配慮していただくよう要望します。
 ②.配置転換に関する育児や介護への配慮義務については、申し出があれば配慮していただけることを確認しましたので、人事異動が生じる前年の12月末ぐらいまでに、聞き取り調査をしていただき、配置転換についての要望を積極的に出せるようなシステムを作っていただくことを要望します。

要望事項6 長期入院に対する年休の持ち越しについて

 現在有給休暇数は、新設20日、繰越20日の計40日間がありますが、やむを得ず長期入院や長期療養が必要になった場合、現在の有給休暇日数では、不足が生じることがあり、職場復帰してからの休暇に大変不安を感じています。つきましては、病気やけがで長期療養や入院が必要になった場合に限り、繰越有給休暇日数を20日間増やしていただき、計40日間(新設とあわせて60日間)としていただくよう要望します。

要望事項7. 病院における休暇取得促進や職場環境改善について

両病院の各部署では、患者対応や時間外研修など日々の業務に追われ、指定休暇や季節休暇も十分に取得できないばかりでなく、人員不足により逆に残業時間が増加している部署もあります。職場環境改善に向けた取り組みが行われているとは、到底言い難い状況です。これでは、患者に十分な医療サービスが提供できないばかりか、重大なインシデントにつながる可能性も考えられます。つきましては、大学から両病院の各部署(管理職)に休暇取得の勧告や職場環境改善に向けた取組みを実施するよう勧告していただくよう要望いたします。

確認事項1. 助教の講義担当手当について

助教の「講義担当手当」について、手当の上限が存在するようですが、手当の算出根拠となる規則を明らかにしていただきたい。特に、助教の講義実態とその手当の金額との整合性がとれているのか明確な説明をお願い致します。

確認事項2. 教育技術職員の俸給表わたりについて

 今年度より、従来5級までしか俸給表が適用されなかった教育技術職員について6級の適用をお認めいただき、それが実施されありがとうございました。つきましてはその結果の概略をお示しいただき、来年度以降も継続して実施されることについて、確認をしたいと思いますのでよろしくお願いします。

確認事項3. 助教・助手の任用基準の明示

助教・助手制度の問題と関連して、本学では、助手、助教、講師、准教授・教授の職制の区分や定義が必ずしも明確ではありません。この点に関しては、昨年度の学長交渉の際に大学当局からもそのように認識している旨の回答「これが学部によって、助手、助教の取り扱いが若干異なっているところもあります。大学としてどのように定義していくか検討しなくてはならないと思っています。」(2013年第1回交渉)がなされていることから、職制区分の明確な区分や定義の検討結果について説明を求めます。

確認事項4.助教の図書費の運用について

一昨年の学長交渉において、助教に対する図書費配分については予算化が約束されましたが、未だに実現していません。図書費の予算枠がないために図書館へ直接発注(ネット上などで)することができません。早期実現を要求します。

確認事項5.教育施設の空調の改善について

 空調は授業等の学習環境に大きな影響を与えます。暑すぎる、寒すぎるといった状態は、教職員のみならず、学生に対して大きな不利益となります。ネットを通した口コミ情報の威力はきわめて大きく、空調面での学生の不満は、福大に対するマイナスの評判としてすでにかなり広がりかねない状況になっています。
 空調面での学生の不満はかなり深刻と思われます。(法学部や工学部のアンケート)しかも、毎回空調の改善要望が出ていながら変化がないため、空調関係についての回答に無気力感が生じています。これは学生の満足度を低下させ、口コミで悪い評判をもたらすおそれが大いにあると思います。
 節電の重要性はもちろん理解できますが、他大学との競争の中で福大のブランドを維持し、高めていくためには、学生が私学に期待する私学ならではのキャンパスインフラの整備が必要であると考えます。特にクーラーについては、窓を少ししか開けられなかったり(事故防止用)、開けることが躊躇されたり(PM2.5による大気汚染や工事による騒音等)する事情があり、手厚い対策が必要となっています。
 昨年度の学長交渉では、大学側は、「教育環境を適切に保つということが大学として当然のことです」と述べています(2013年第1回交渉)。そこで、今年度も教育施設の空調改善を積極的に進めるよう引き続き要望します。

2014_05_07_平成26年度第1回学長交渉議題ver.2.txt · 最終更新: 2014/06/23 10:18 by yigarash