ユーザ用ツール

サイト用ツール


2014_09_01_人事院勧告について

人事院勧告について

またしても高齢層いじめの勧告

 8月7日、人事院は平成26年度人事院勧告を行いました。一般マスコミのニュースなどでは、久しぶりのベースアップという文字が躍っていますが、実際にはまたしても高齢者に対し非常に厳しい内容になっています。その部分を解説する前に、国交労連の速報に記されているコメントを紹介します。

  • 『人事院は本日(8月7日)、政府と国会に対して、一般職国家公務員の給与等に関する勧告と報告を行った。官民較差については、月例給、一時金ともにプラス較差となり、月例給の水準は1,090円(0.27%)改善、一時金は0.15月分改善といずれも7年ぶりに引き上げる勧告を行った。
  • 較差については、俸給の水準改定によることとし、その配分は、1級の初任給を2,000円引き上げるなど初任層に重点を置くとともに、中堅層の在職する号俸も引き上げるなど、私たちの要求にそった改定を行った。また、通勤手当(交通用具使用者)を改善するとともに、再任用職員の単身赴任手当の新設など、手当改善要求が一部前進した。
  • 2014年春闘では、消費税率の引き上げや円安などによる物価上昇のもとで、賃上げによる景気回復をめざしてたたかってきた。その中で国公労連は、①大幅賃上げ、②「給与制度の総合的見直し」の中止、③再任用職員の賃金改善、④非常勤職員の休暇制度拡充を重点要求としてたたかってきた。その結果、春闘相場が例年を上回り(国民春闘共闘集計で加重平均2.09%)、公務員賃金も月例給・一時金ともに改善勧告を引き出したことは、官民共同のたたかいの貴重な到達点である。
  • 一方、実質賃金は、5月と6月いずれも3.8%減少(厚労省・毎月勤労統計)しているなかで、さらに賃上げへの気運を高め、賃金改善をめざすたたかいを継続・強化することが求められる。
  • 勧告では、寒冷地手当について、灯油価格や電気料金等が高騰しているなど厳しい生活実態を一顧だにせず、気象データのみによって支給地域を縮小した。また、再任用職員の給与についてプラス較差を認めながら改善を見送った。引き続き、寒冷地手当の支給基準の改善と引き下げ阻止、年金が支給されない実態を踏まえて定年延長の実現と再任用職員の賃金改善を求めていく。
  • 非常勤職員の処遇改善については、今年も勧告で賃金改善に言及しなかったが、夏季における弾力的な年次休暇の付与を盛り込んだ。夏季休暇の新設要求に応えない不満な内容ではあるが、今後の足がかりとなるものである。引き続き、非常勤職員の均等待遇と雇用の安定を求めるとともに、当面、初任給改善に見合う賃金改善を求めていく。
  • 最大の焦点であった「給与制度の総合的見直し」については、行政職俸給表(一)について、民間賃金水準の低い12県の官民較差と全国の較差との率の差が2.18ポイントあるとして、俸給表水準を平均2%引き下げた(1級及び2級の初任給に係る号俸は据え置く)。また、50歳台後半層が在職する3級以上の高位号俸については、最大4%引き下げる(平均2%引き下げ分を含む)ことを盛り込んだ。(医療職(一)を除く他の俸給表も同様に引き下げる)
  • 国家公務員は、憲法の要請にもとづく国民の権利保障機能を担い、全国津々浦々で斉一の公務・公共サービスを展開している。そのため給与については、国家公務員法第62条で「職員の給与は、その官職の職務と責任に応じてこれをなす」と給与の根本基準として「職務給の原則」が定められている。今回の「見直し」は、「職務給の原則」や地域経済への影響を度外視して、地域の民間賃金の水準に公務員賃金を合わせて地域間の賃金格差を拡大し、職務を考慮しない偏ったデータとの比較によって高年齢層職員の給与を引き下げるというもので、国公労連は、その問題点を再三指摘してきた。それにもかかわらず、労働条件の不利益変更となる内容について、合理的説明もなく、一方的に勧告に盛り込んだ人事院の姿勢は、断じて容認できない。
  • 他方で「見直し」では、①行(二)職員の給与を民間の自動車運転手の賃金と比較して決定するとしていたものを断念させたこと、②再配分による東京特別区の地域手当の大幅引き上げをやめさせ現行水準にとどめたこと、③地域手当の支給区分の変更を一段階にとどめたこと、④高年齢層の引き下げ対象号俸を極力限定させるとともに、5・6級の号俸延長を認めさせたこと、⑤現給保障の経過措置と手当の段階的実施を認めさせたことなど、不十分な「見直し」のなかでも、私たちの要求を認めざるを得ない状況まで人事院を追い込んだ。これは、人事院本院や地方事務局交渉、各府省交渉などを積み上げるとともに、最賃闘争と結びつけ、公務員賃金改善署名のとりくみを軸に、全国各地で公務産別や民間組合も含めた多くの労働者と連帯したたたかいの反映であり、貴重な到達点である。
  • たたかいの舞台は、政府との交渉へと移る。政府は、昨年11月15日に「給与体系の抜本的改革」を人事院に要請するとともに、7月25日には「国家公務員の総人件費に関する基本方針」を閣議決定して、人事院の検討を後押ししてきた。国公労連はこの間、すべての労働者の賃金改善を視野に「公務員賃下げ違憲訴訟」のたたかいを展開し、平均7・8%もの過酷な賃下げの継続・延長を政府に断念させるなどの到達点を築いている。このたたかいとも連動させて、政府に対して、勧告の改善部分の早期実施を求めるとともに、著しく道理を欠いた「給与制度の総合的見直し」の中止を求めていく。
  • また、政府の総人件費抑制方針に対し、新たな定員削減計画の中止・撤回と大幅増員による体制確立とそれによる公務・公共サービスの拡充を求めるとともに、労働基本権の代償機能を十全に保障した級別定数の改定による昇格改善をめざして、引き続きたたかいを強化する。国公労連中央闘争委員会は、この間のたたかいに奮闘された全国の仲間に心からの敬意を表するとともに、引き続いてのたたいかへの結集を呼びかけるものである。』


 私大教連からも非公式ですが、今回の勧告については次のような感想をいただいています。

  • 『(本学組合からの質問に対し)別記5ないし7(この部分の給与制度改革について、後で解説します)は、来年度の給与法改正後に施行されるという理解になると思いますが、通例の人勧通り、遡っての適用になると思います。人勧にあるとおり、50歳台後半の給与水準を引き下げることになっています。実質給与減ではなく、正面から削減するということです。一 応、現給保障措置はとられますが、今年適用のベアは、高齢層には配分がないので、高齢層にとっては「踏んだり蹴ったり」的な勧告という印象が残ります。』

 このように、今回の人事院勧告は、一部若年層に対する給与の改善など評価される部分もありますが、またもや高齢層の給与を直撃する内容になっているのも事実です。さて、以下給与勧告の骨子(実際よりも行数を詰めています)の問題となる部分(本学にあまり関係のない部分などは活字のポイントを下げました)について、骨子の中で解説をしたいと思います。

給与勧告の骨子

○ 本年の給与勧告のポイント:月例給、ボーナスともに7年ぶりの引上げ

  • 民間給与との較差(0.27%)を埋めるため、世代間の給与配分の観点から若年層に重点を置きながら俸給表の水準を引上げ
  • ボーナスを引上げ(0.15月分)、勤務実績に応じた給与の推進のため勤勉手当に配分俸給表や諸手当の在り方を含めた給与制度の総合的見直し1)
    • 地域の民間給与水準を踏まえて俸給表の水準を平均2%引下げ
    • 地域手当の見直し(級地区分等の見直し、新データによる支給地域の指定見直し)
    • 職務や勤務実績に応じた給与配分(広域異動手当、単身赴任手当の引上げ等)

Ⅰ 給与勧告制度の基本的考え方

 国家公務員給与は、社会一般の情勢に適応するように国会が随時変更することができる。その変更に関し必要な勧告・報告を行うことは、国家公務員法に定められた人事院の責務・勧告は、労働基本権制約の代償措置として、国家公務員に対し適正な給与を確保する機能を有するものであり、能率的な行政運営を維持する上での基盤・公務には市場の抑制力という給与決定上の制約がないことから、給与水準は、経済・雇用情勢等を反映して労使交渉等によって決定される民間の給与水準に準拠して定めることが最も合理的

Ⅱ 民間給与との較差等に基づく給与改定

民間給与との比較

約12,400民間事業所の約50万人の個人別給与を実地調査(完了率88.1%)

  • 民間の組織形態の変化に対応するため、本年から基幹となる役職段階(部長、課長、係長、係員)の間に位置付けられる従業員の個人別給与等を把握し官民の給与比較の対象に追加

月例給

公務と民間の4月分給与を調査し、主な給与決定要素である役職段階、勤務地域、学歴、年齢の同じ者同士を比較

  • 民間給与との較差1,090円0.27%〔行政職(一)…現行給与408,472円平均年齢43.5歳〕、〔俸給988円はね返り分(注) 102円〕(注)俸給等の改定に伴い諸手当の額が増減する分

ボーナス

昨年8月から本年7月までの直近1年間の民間の支給実績(支給割合)と公務の年間の支給月数を比較

  • 民間の支給割合4.12月(公務の支給月数3.95月)

給与改定の内容と考え方

月例給

(1) 俸給表

  1. 行政職俸給表(一)

改定率平均0.3% 世代間の給与配分の見直しの観点から若年層に重点を置いて改定
初任給民間との間に差があることを踏まえ1級の初任給を2,000円引上げ

  1. その他の俸給表行政職(一)との均衡を基本に改定(指定職俸給表は改定なし)

(2) 初任給調整手当
医療職俸給表(一)の改定状況を勘案し改定 (3) 通勤手当
交通用具使用者に係る通勤手当について、民間の支給状況等を踏まえ使用距離の区分に応じ100円から7,100円までの幅で引上げ (4) 寒冷地手当
新たな気象データ(メッシュ平年値2010)に基づき、支給地域を見直し

ボーナス

  • 民間の支給割合に見合うよう引上げ3.95月分→4.10月分
  • 勤務実績に応じた給与を推進するため引上げ分を勤勉手当に配分

(一般の職員の場合の支給月数) 6月期12月期 26年度期末手当1.225月(支給済み) 1.375月(改定なし) 勤勉手当0.675月(支給済み) 0.825月(現行0.675月) 27年度期末手当1.225月、1.375月 以降勤勉手当0.75月、0.75月 [実施時期等] ・月例給:俸給表、初任給調整手当及び通勤手当は平成26年4月1日 寒冷地手当は平成27年4月1日(所要の経過措置) ・ボーナス:法律の公布日

Ⅲ 給与制度の総合的見直し

※解説が必要なのはこのⅢの部分です!これに対応する資料として、今回の人事院勧告には「勧告別記5」という俸給表が添えられています。問題は次の通りです。
(ここでその資料全てを掲載するとゆうに180頁以上になるため、次の二つのURLからPDFによる俸給表を参照して下さい。①が今回の勧告の結果(ただし公務員には55歳以上の本俸1.5%減額が続いているので、その対象となる俸給は減額された金額になっています)と、②が別記5(7まであります)に対応する俸給表です)

人事院勧告は次のようになっています。
次のような課題に対応するため、俸給表、諸手当の在り方を含めた給与制度の総合的見直しを勧告 ○ 民間賃金の低い地域における官民給与の実情をより適切に反映するための見直し ○ 官民の給与差を踏まえた50歳台後半層の水準の見直し ○ 公務組織の特性、円滑な人事運用の要請等を踏まえた諸手当の見直し 1 地域間の給与配分の見直し、世代間の給与配分の見直し [俸給表等の見直し] ① 行政職俸給表(一) 民間賃金水準の低い12県を一つのグループとした場合の官民較差と全国の較差との率の差(2.18ポイント(平成24年~26年の平均値))を踏まえ、俸給表水準を平均2%引下げ。1級(全号俸)及び2級の初任給に係る号俸は引下げなし。3級以上の級の高位号俸は50歳台後半層における官民の給与差を考慮して最大4%程度引下げ。40歳台や50歳台前半層の勤務成績に応じた昇給機会の確保の観点から5級・6級に号俸を増設 ② 指定職俸給表 行政職(一)の平均改定率と同程度の引下げ改定 ③ ①及び②以外の俸給表行政職(一)との均衡を基本とし、各俸給表における50歳台後半層の在職実態等にも留意しつつ引下げ。医療職(一)については引下げなし。公安職等について号俸を増設 ④ その他委員、顧問、参与等の手当の改定、55歳超職員(行政職(一)6級相当以上)の俸給等の1.5%減額支給措置の廃止等 [地域手当の見直し] ① 級地区分・支給割合級地区分を1区分増設。俸給表水準の引下げに合わせ支給割合を見直し 1級地20%、2級地16%、3級地15%、4級地12%、5級地10%、6級地6%、7級地3% * 賃金指数93.0以上の地域を支給地域とすることを基本(現行は95.0以上) * 1級地(東京都特別区)の支給割合は現行の給与水準を上回らない範囲内(全国同一水準の行政サービスの提供、円滑な人事管理の要請等を踏まえると地域間給与の調整には一定の限界) ② 支給地域「賃金構造基本統計調査」(平成15年~24年)のデータに基づき見直し(級地区分の 変更は上下とも1段階まで) ③ 特例1級地以外の最高支給割合が16%となることに伴い、大規模空港区域内の官署に在勤する職員に対する支給割合の上限(現行15%)、医師に対する支給割合(同)をそれぞれ16%に改定 2 職務や勤務実績に応じた給与配分 (1) 広域異動手当円滑な異動及び適切な人材配置の確保のため、広域的な異動を行う職員の給与 水準を確保。異動前後の官署間の距離区分に応じて、300km以上は10%(現行6%)、60km以上300km未満は5%(現行3%)に引上げ (2) 単身赴任手当公務が民間を下回っている状況等を踏まえ、基礎額(現行23,000円)を7,000円 引上げ。加算額(現行年間9回の帰宅回数相当)を年間12回相当の額に引上げ、遠距離異動に伴 う経済的負担の実情等を踏まえ、交通距離の区分を2区分増設 (3) 本府省業務調整手当本府省における人材確保のため、係長級は基準となる俸給月額の6%相当額(現行4%)、係員級は4%相当額(現行2%)に引上げ (4) 管理職員特別勤務手当管理監督職員が平日深夜に及ぶ長時間の勤務を行っている実態。災害への対処等の臨時・緊急の必要によりやむを得ず平日深夜(午前0時から午前5時までの間)に 勤務した場合、勤務1回につき6,000円を超えない範囲内の額を支給 (5) その他人事評価結果を反映した昇給効果の在り方については、今後の人事評価の運用状況等を踏まえつつ引き続き検討。技能・労務関係職種の給与については、今後もその在職実態や民間の給与等の状況を注視 3 実施時期等 ○ 俸給表は平成27年4月1日に切替え ○ 地域手当の支給割合は段階的に引上げ、その他の措置も平成30年4月までに計画的に実施 ○ 激変緩和のための経過措置(3年間の現給保障) ○ 見直し初年度の改正原資を得るため平成27年1月1日の昇給を1号俸抑制

以上の点については人事院勧告でも次のURLの中にイメージとして解説されています。 http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/pdf/26point.pdf このURLを参照されて、とくに問題になるのは2-④の世代間の給与配分の見直しという表です。さて、上記①のURLから、例えば行政職俸給表(一)の6級の40号俸の金額を見て下さい。そこには397100円と書かれていますが、②の同じところを見ると389200円となっています。これが今回の給与改革の意図するところです。55歳以上の方は、ご自身の号俸の金額を①と②で比べてみて下さい(ただし、1%の減額(公務員の場合は1.5%)は本学では廃止されたので、本学の新しい俸給表での金額はそれを0.985で割ったものがおよその金額になります。また本学規程集の俸給表の号俸が公務員の俸給表に対応していない場合もあります)。上記の私大教連のコメントにもあるように、この勧告は国会での給与法が改正されない限り施行されませんが、今の流れでは、来年4月に施行されることになっています。3年間限定の現給保障があり、公務員に対しては継続中である55歳以上の本俸1.5%減額措置は廃止されるものの、実質的には3年間は相当額の給与の減額、それも私大教連のコメントにあるように暫定措置ではなく、給与表の固定という正面からの減額になります(年齢や適用される俸給表に多少の違いがでますが、現給保障が終わる3年後にようやく今回の本来の勧告の給与額に到達するかどうかで、要するに3年間給与は上がらず、場合によっては3年後に若干下がることになる場合もあるということです)。末尾に少し解説を加えます。

Ⅳ 雇用と年金の接続及び再任用職員の給与

○ 雇用と年金の接続 ・公務の再任用は短時間が約7割、補完的な業務を担当することが一般的 ・平成28年度に年金支給開始年齢が62歳に引き上げられ、再任用希望者が増加する見込み。職員の能力・経験の公務外での活用、業務運営や定員配置の柔軟化による公務内での職員の活用、60歳前からの退職管理を含む人事管理の見直しを進めていく必要 ・本院としても引き続き、再任用の運用状況や問題点の把握に努めるとともに、民間企業における継続雇用等の実情、定年前も含めた人事管理全体の状況等を詳細に把握し、意見の申出(平成23年)を踏まえ、雇用と年金の接続のため適切な制度が整備されるよう積極的に取組 ○ 再任用職員の給与 ・転居を伴う異動をする職員の増加と民間の支給状況を踏まえ再任用職員に単身赴任手当を支給 [実施時期:平成27年4月1日] ・本年初めて公的年金が全く支給されない民間の再雇用者の個人別給与額を把握。今後もその動向を注視するとともに、各府省の今後の再任用制度の運用状況を踏まえ、再任用職員の給与の在り方について必要な検討

今後、この人事院勧告について、本学がどのように運用していくのかを注意深く見守るとともに、組合として、別記5にあるような、またしても高齢者いじめの施策には反対し、大学に対して、それを実施しないように強く求めていくつもりです。

(給与法改正のポイント)  本文でも挙げた例ですが、今回の人事院勧告で改正された俸給表で、行政職(一)の6級の36号を現在もらっている方がいると仮定して説明します。(本学の俸給表は1.5%減額がないので、金額は異なりますので、それは後日詳しく説明しますが、考え方は同じです)  その方の来年平成27年1月昇給して 6級40号 397100円になります(この部分も公務員は原資確保のため昇給号俸がマイナス1になりますが、本学ではそれはないので、無視します)。ところが、給与法改正が成立すると、平成27年4月からはその方の本俸は389200円なってしまいます。これは給与法改正(55歳以上の俸給表を2~4%減額)という俸給表改正での減額で行われるため、暫定的な経過措置ではなく、正面からの減額になり、回復はありません。ただし、3年間平成30年4月までは現給保障(この方の場合397100円)が行われます。この方の場合、平成30年1月まで新しい(減額されて改正された)給与表で昇給するとその方の給与は6級の52号(398700円)になるので、現給保障額の397100円をわずかに超えて、その時点で現給保障はなくなり(現給保障額を超えないと4月に給与が減額になります)、その金額がその方の正式な本俸となり、翌年以降もそこから昇給することになります。考えてみれば本来はもっと昇給するはずが、3年間全く昇給しないことになるわけです。これは現給保障の金額を実際の本俸が追い越す例ですが、場合によっては追い越さずに平成30年4月の時点で給与が下がる方もいます。いくつかのケースを調べましたが、例えば現在、教育職員(定年70歳の場合)で60歳以上の方は、65歳で昇給停止なので、もしこの措置が本学でも実施されれば、昇給停止前の5年間はほとんど給与が上がりません。概算で、現在教育職員だと59歳(65歳定年の方だと、54歳)あたりから上の方、事務職員だと55歳以上のかたは、これ以上ほとんど給与が増えないことになります。これにどう取り組んでいくかは今後しっかりと議論していかなければなりません。ご意見と大学に対する大きな要望の声をお願いします。

1) 平成27年4月から3年間で実施。俸給引下げには3年間の経過措置。段階的実施に必要な原資確保のため、平成27年1月の昇給を1号俸抑制
2014_09_01_人事院勧告について.txt · 最終更新: 2014/11/23 13:57 by yigarash