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2012七隈活動計画案

2.七隈支部

活動計画(案)

A .基本方針

(総論)福岡大学教職員組合員の基本的権利の擁護と、福岡大学に就業することによって夢が広がる豊かな生活の実現を目標とする。

(情勢)福岡大学を取り巻く社会的環境には厳しいものがあると思うが、福岡大学自体は、組合員の努力によって健全で良好な経営環境を継続していると思われる。しかしながら、大学の予算に占める人件費の比率が50%をちょっと超えただけで、福岡大学の財政があたかも非常に不健全であるというお題目的な理由で、現状において厳しい労働条件(給与、雇用期限、土曜授業などの勤務体系など)を強いられ、待遇が改善されていないことは、組合員の皆様も承知されていると思うし、納得がいかないであろう。とくに、平成18年4月以降、公務員の人件費抑制のために実施された国による公務員給与改革を本学でも実施したため、組合員の給与は殆ど横這いのままであったが、ついには、昨年の賞与が人事院勧告通り減額されたため、この2月にもらう2011年分の源泉徴収票の収入額が2010年分よりを下回ることが予想される。このような現状の中で、組合員の生活はますます厳しいものになっており、組合の活動によって、その幾許かでも改善されるようにしていかなければならない。
 基本的には、組合活動は、憲法で保障された労働基本権(団結権・団体交渉権・団体行動権)を行使し、人間らしく生き働くための賃金・労働時間・職場環境など労働条件の改善および働く者の経済的社会的地位の向上を目指すものであり、その実現に向けて最大限の努力と要求をしていくものである。また、大学当局の施策が組合員の意にそぐわない場合は、強く撤回や改善を求めていかなければならない。

(活動項目)七隈支部には、積年の活動項目が多数あり、その全ての実現が組合員にとって悲願であるが、実際には、一つの要求の実現に費やす時間は数年、場合によっては十数年ということもある一方、常に新たな問題も生じている。各対策委員会の活動計画の項目を全て実現するのは、単年度だけでは不可能だと言えば、夢がないことになってしまうが、実際には、その一つでも実現に向けて努力することを誓うものである。
 その中でも、労働者の基本的権利である教育職員の有給休暇の問題については、すでに職組ニュースでも詳解したように、大学当局の見解が不当であるのは明白である。これからも強くその非を質していかなければならないが、このように労働者の基本的権利にかかわる問題については三六協定の締結の保留も視野に入れて要求を進めていく必要があると思う。
 その他の多くの活動項目については、これから過去の議論も踏まえ、本年度の重点項目を選んで、学長交渉、要望書、関係部署との協議などで、その実現を目指すものであるが、とくに次の項目については、積年の悲願であり、一つでも実現したいと考えている。1.事務嘱託職員の待遇改善と雇用期限の撤廃。2.ハラスメント対策の正しいシステムの実現。3.人事院勧告をうまく利用する福岡大学の給与体系の正常化。4.上級技師(労使で検討中であるが)の職位の実現。

(組織の問題)周知のとおり、本学教職員組合は、中央執行委員会の下、烏帽子形支部と七隈支部に分かれて、学長交渉議題他の別々に様々な案件を審議しているが、例えば、組合基本金に関する考えには大きな隔たりがあり、七隈支部が中心となって計った施策が実行できないという結果になり、その後この問題は白紙となったままであるが、烏帽子形支部のほうからこの事案にどう取り組むのかという問題提起はなされていない。七隈支部としては、このままでは、有効な基本金の活用さえままならない状況であると懸念している。また、それ以外の問題でも支部間の利害や職制の違いによって実行できない施策がいくつか生じていることは事実である。もちろん、議論によって解決していかなければならないが、埋められない部分も多く、それを考慮すると、今まさに、支部の独立を含めた様々な方策を探って意思決定のための組織の問題を検討すべき時期にあると言ってよい。

(まとめ)組合活動は、それを複数年務めることによってようやく多くの問題点がはっきりと分かると言ってよい。現在の組合執行部には、中央、烏帽子形、七隈ともに複数年の経験を持たれた方が残られているが、そういった体制のもとで、自分たちだけが分かっているという傲慢さに陥らず、組合員全員と問題点を共有できるようにし、情報を適格に迅速に伝達することと、後を継ぐ若い力を育てることが、組合執行部の全員に課せられた使命である。

B.活動項目

(1)給与対策委員会(責任者:櫻木 規美子)

給与に関する問題点について、以下の点を主な課題として取り上げて活動する。

1.労務、嘱託職員の給与
事務嘱託、労務嘱託職員の給与水準が低い件に関して、大学側は、財政難であることと契約条件を理解して採用されていることを理由に改善しないという姿勢を貫いている。給与条件の改善を目指して、正職員に認められているが、嘱託職員に認められていない扶養手当や住宅手当の支給について、強く改善を要求していく。
また、定年後再雇用される嘱託職員の給与減額が平成24年度から実施されることが、組合になんら事前の連絡なく、「他大学に準拠した」というだけで、他大学の給与データなどの根拠が全く示されないまま、大学協議会を通過して、機関決定された。またも、教職員に押し付けられた不利益変更を問題として取り上げ、大学側に改善を要求する。

2.人事院勧告の問題
給与の算定基準となる人事院勧告は、公務員の給与削減が政府の既定路線になっているため、今後も厳しい状況が予想される。大学側は、公的な助成金を多く受けているため、そこに従事する者は、公務員に準ずると主張している。その主張の不当性を明確にし、給与の引き下げを認めず、定期昇給が保証される福大独自の給与基準の必要性を訴える。

3.賞与の加算分
賞与の加算分の算定基準は、学長交渉での何度も要望しているにもかかわらず公開されないままになっている。公開することにより、賞与算定における不透明点を解消するため、今後も、要望を継続する。

4.教育技術職員の俸給表問題
教育技術職に「上級技師」を創設することについて、大学側と組合側との方向性は、前向きに検討するということで一致している。これに対する合理的な昇格条件を検討し、大学側が「上級技師」への昇格を認める方策を見出し、教育技術職員の給与の俸給表6級の実現を目指したい。

5.平成18年度給与改訂への対応
平成18年度の公務員給与改定で、俸給表の改訂に伴う現給補償の確実な実施と年4号俸の昇給を公務員の平均昇給条件に合わせて4.5号俸の昇給に再改定することを要求する。

6.給与データの情報収集
組合員の協力のもとに給与データを収集し、給与白書を作成する。また、不透明な点が多い福岡大学の給与体系の矛盾を研究し、今後の是正につなげていく。

(2)労働条件対策委員会(責任者:佐藤  伸)

1.嘱託職員の契約年数(7年を限度とすること)の問題
平成19年4月採用からの事務嘱託職員には雇用期限がある。

2. 嘱託職員の労働条件
・給与と手当の改善
・登用制度の実施
 平成19年4月に採用(2名)のために実施されて以来、行われていない。当局はそれが試行であったと主張し、その結果を見ると言っているが、何の報告もない。

3.教育技術職員の労働条件の整備と確認
・指示系統と就業規則の確認と周知
教育技術職員は事務職と同じ行政職俸給表を使うが、残業は認められず。就業規則もあいまいである。

4.人事制度とその基準の明確化
・自己点検評価の精査
・昇進・昇格における不透明な基準
 事務職員の昇進(役職位へ)昇格(職名(参事など))への昇格の基準。

5.学年暦の見直し
問題多く、さまざまな意見があって、なかなかまとまらないが、組合としては弱い立場の教職員(介護、育児、障害などの問題を抱えるかた)の側に立って議論している。

6.教育職員の有給休暇または病気休暇制度の設立
大きな問題。本学の就業規則には教育職員については、コマ数のノルマしかなく、それ以外はどこにも規程がないのに、勝手に病気入院などを欠勤扱いして、ボーナスのプラスアルファを減額している。

(3)研究教育条件対策委員会(責任者:山田 勇治)

1.学年暦に起因する弊害の改善

  • 平成23年度より、半期15回授業が実施され、その弊害として休日出勤等が行われている。これに対し、一定期間での業務集中による労働過多や育児等への不利益の問題が生じていないかをアンケート等により調査し、大学当局に対して要望があれば改善を要求する。

2.「助教・助手制度」問題について

  • 助教・助手の“振り分け”を各学部・学科の裁量に任せたために、学部ごとに格差が生じた。昇格基準や研究条件等について学部間で情報を共有する作業を実施し、問題点を大学当局に明示し、改善を働きかける。
  • 昨年度の交渉によって得られた助教への図書費を、助手に対しても平等に配分されるように要望する。

3.研究条件の改善

  • 研究条件の改善に関し、組合員からの具体的な改善点について、情報や要望を聴取し、問題点を検討した上で、大学側に改善を要求する。
  • 出張旅費に関し、年2回または総額支給制度を各教員が選択できるように要望する。また、年2回支給の場合の発表・連名等の制限の解除を要望する。
  • フィールドワークを重視する研究者などの要望に対しても、十分な研究費が配分されるよう要求する。
  • 研究や教育の施設・設備の要望に対する迅速な対応を要求する。
  • 予算執行時の煩雑な手続きや重複した作業について意見をまとめ、事務手続きの簡略化を要望する。

(4)組合活性化委員会(責任者:末次  正)

 本年度この委員会は活動を縮小して、新たな問題が生じたときに、それに対応したメンバーを招集します。
 組合規約の整備とハンドブック作成に続き、組合基本金の問題に取り組みましたが、中央執行委員会とも連携した方向にもかかわらず、一部組合員から理解が得られませんでした。この問題については、現中央執行委員会での討議で新たな方針を考えるべきだと思いますが、それまでは七隈からの議論はしばらく保留したいと思います。
 なお、組合活性化に関連する、七隈の夕べなどの福利厚生の行事は今までどおり積極的に開催します。

(5)男女共同参画委員会(責任者:田村 和彦)

1.各種ハラスメント対策について
 セクシュアル、アカデミック、パワーの各ハラスメントについて、大学当局へ下記の点について要望を行う。
 ①教職員にハラスメント講習会の聴講を義務づける(教授会でハラスメントに関する啓発を実施)。
 ②「セクシュアル・ハラスメント防止対策委員会」を「ハラスメント対策委員会」に変更した上で、構成メンバーを組合からも推薦できるようにする。
 ③定期的にハラスメントに関する啓発用のパンフレットを作成・配布し、大学側の窓口をわかりやすくする。
 ④大学トップページにハラスメント対策についての掲載を行うように大学へ要望する。
  また、匿名による訴えを排除する現状の制度は大きな欠陥があると言わざるを得ず、これを改善してゆくシステムの構築を求めてゆく。

2.土曜午後と休日(日曜・祝日)勤務について
 ①土曜午後と休日(日曜・祝日)勤務が実施され、すでに教職員の生活、子育てや介護などに、すでに多方面かつ多大な負担を生じさせている状況を踏まえ、「男女共同参画委員会」としても、学年暦および土曜午後と休日の勤務に関する早急な改善を求めていく。
 ②これについては、「労働条件対策員会」との協力のもとで行う。

3.メンタルケアについて
 ①学生に対するメンタルケアについては一定の改善があったが、教職員に対するメンタルケアは未だ十分ではない。利用状況など現状の把握とともに、健康管理センターなどを利用しやすくするなどの対応を大学当局に働きかけ、健康サービス向上の実現を目指す。
 ②この点については、「衛生委員会」にも積極的に働きかける。

4.乳がん・子宮がんなどの性別特有のがん検診への配慮について
 男性の前立腺がんについては健康診断において改善がみられたが、乳がんなどの性別特有のがん検診については健康診断に含まれておらず、また時間的制約などもあり受診しづらい現状がある。
 本学の衛生委員会において、既に教職員組合と協同で検討を行って欲しい旨の方向性が示されており、今後、組合としては、講演会・アンケートを実施して、組合員の意向に沿った性別特有のがん検診サービスが実現するように大学へ要望する。
 具体的には、学内での検診の実施が考えられるが、性別特有の身体的理由によって必ずしも大学の設定した期間内に受診可能であるとは限らない点も考慮する必要がある。また、心理的理由から学内での検診を希望しない場合、他機関を利用する事例でも経済的負担を求めるなどが考えられる。いずれにせよ、受診が適切に行えるよう、勤務時間の配慮がなされなければならない、といえる。
 組合員の意向を踏まえつつ、この問題への適切な対応を要望する。

5.男女共同参画社会への取り組み
 ①旧姓使用が問題なく実施されているかを見守る。とくに、非常勤講師については、システム上の問題から旧姓の使用ができないということだが、制度としての整合性を欠くことから、この点の改善を求める。
 ②女性管理職と女性教職員の人数把握を行い、増員を目指す。
 ③男女共同参画の取り組みについて、福岡大学教職員組合のWebに掲載する。
 ④男女共同参画促進を図るために、関連する講演会・職場懇談会を開催する。前者は、2か月程度の間隔をおいて開かれ、定着しつつあるので、今後もこれを持続する。

6.NPO組織との地域貢献について
 七隈地域においては、NPO組織が活動しており、組合3支部ともに、それら組織との連携活動を実施してきた。本年度もこの活動を継続するとともに、連携する組織を拡大することも視野に入れる。

2012七隈活動計画案.txt · 最終更新: 2012/02/27 14:14 by admin